米ドル/円に関して、基本的な考え方は変わっていない。
トレンドは「米ドル安・円高」の持続と考えている。
この「米ドル安・円高」のトレンドは、2007年6月から3年以上も持続・継続していることになるが、ここ15年ほどの相場では、トレンドが2~3年周期で転換しているため、「そろそろトレンド転換があってもよいのではないか?」と考える人が増えていることは理解できる。
しかし、もう少し長い期間で米ドル/円の値動きを振り返ると、トレンドが5年以上続いたケースもあった。
その事実を踏まえると、「そろそろトレンド転換があってもよいのではないか?」と考えるのは非常に危険だと判断している(「米ドル/円がそろそろトレンド転換する、と考えるのはなぜ危険なのか?」を参照)。
個人的には、セオリーどおりにかたくなに対応したいと考えている。
つまり…
・明確なトレンド転換のシグナルがない限り、現在のトレンドは持続する
・トレンド転換の時期をアテ推量で期待しない
・相場は必ず、明確なシグナルでトレンド転換を教えてくれる
だから…
・明確なトレンド転換のシグナルを見落とさないように注意深く見る
…ことが重要だ。
なお、夏休みシーズンに突入して、市場参加者のやる気(モチベーション)が失せている印象を受ける。
毎年、7月4日の「米国独立記念日」あたりから、8月最終週の月曜日「ロンドンのレイト・サマー・ホリデー」までが外国為替市場の夏休みシーズンとなるが、市場参加者が少なくなって「値動きが変だな…」と感じることが、足元の相場でもしばしばある。
市場参加者がたくさんいる通常の相場とは違った、妙な値動きが多くなっていると感じている。
■「米ドル安・円高」のトレンドが継続している
まずは、米ドル/円の月足チャートからご覧いただきたい。
月足チャートで過去の値動きを確認する。
上に示したのは1995年以降の米ドル/円の月足チャートだが、上昇する際にはサポートラインの上にあり、下落する際にはレジスタンスラインの下にあることが読み取れる。
これは、1995年より前のチャートを見ても確認できる。
チャートでは、サポートラインとレジスタンスラインを緑の実線で表示した。
また、現在の米ドル/円が、緑の実線で示したレジスタンスラインにアタマを抑えられていることも見て取れる。つまり、「米ドル安・円高」のトレンドが持続・継続していることになる。
月足チャートで下値を確認すると、2009年11月につけた84円台後半が目先の下値メドで、その下には歴史的な安値である80.00円(正確には79.75円)が控えている。
チャートには、80.00円の水準を青の水平線(太線)で表示した。
ちなみに、長期のレジスタンスラインをピンクの破線で表示したが、当面のところ、このピンクの破線は目先の売買には関係ないと判断している。もちろん、長期のスパンでは、いずれ考える必要が出てくるときがやって来るのだろうが…
そして、101.00円の水準を青の水平線(細線)で表示した。
この101.00円は、1995年から2009年まで重要なサポートであった水準であり、これを割り込んだ直後は、この付近で大きく上下動した。
その後は101.00円が上限になっているが、後々、101.00円が重要なポイントになるときが来るのではないかと考えている。
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