■ユーロ売りシグナル点灯後、結局、1.3ドル割れに
まずは、ユーロ/米ドルの日足チャートをご覧いただきたい。
チャートで、レジスタンスラインを緑の破線(太線)で示したが、これを見ると、ユーロ/米ドルが2009年12月頃をピークに、断続的に下落していることがわかる。
さらに、下落の際に、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインに上値を抑えられていることも読み取れる。
また、緑の破線(細線)は緑の破線(太線)の平行線であるが、ユーロ/米ドルは2009年11月以降、この2本の平行線の内側(インサイド)で上下動を繰り返している。
このことから、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインの傾きのスピードで、ユーロ/米ドルが下落していると断定できる。
さて、ユーロ/米ドルは、1.3200ドルを下に割り込んで新安値を更新し、「ユーロ売り・米ドル買い」のシグナルを点灯させたにもかかわらず、ギリシャ問題に対するさまざまな思惑がぶつかり合い、単純な下落とはならなかった。
だが、5月4日(火)のニューヨーク市場で、結局、節目の1.3000ドルを割り込んで1.29ドル台をつけている。
ユーロの売りポジションが積み上がっていて、目先のストップ・ロス、すなわち、ユーロの買い戻しは出やすい状況だが、基本的には「ユーロ売り・米ドル買い」のトレンドに変化がないと考えている。
■どこまで落ちるのか見当がつかない!
このゴールデン・ウィーク中、ユーロ圏の国の格付け問題やギリシャ問題で、何かしらのニュースが出るのではないかと考えていたが、そのとおりの結果になった。
5月4日(火)のマーケットでは、「スペインがギリシャのように支援を受けるのではないか」といったウワサが広まり、サパテロ・スペイン首相がそのウワサを否定したものの、スペインの株式市場が大きく下落したことから、同日のニューヨーク市場でユーロ/米ドルが下落した。
下値のポイントだった、1.3100ドル、1.3050ドル、1.3000ドルといったところを次々と下に割り込み、東京市場が休場の5月5日(水)のアジア市場では、1.2950ドルをも下に割り込んだ。
なお、1.3100ドル、1.3050ドル、1.3000ドル、1.2950ドルは、それぞれがチャートポイントで、そのポイントを割り込んだのだから、それぞれの場面で「ユーロ売り・米ドル買い」のシグナルが点灯したと考えている。
5月6日(木)のシドニー市場では1.2800ドルも割り込み、1.27ドル台をつけている。
前述した、1.3000ドル前後に集中していた「ユーロ売り・米ドル買い」のシグナルが正しかったと言えるだろう。
上に示した日足チャートでは、従来の安値と安値を結ぶラインをピンクの破線で表示したが、この短期のサポートラインも、5月4日(火)の値動きで下にブレイクしている。
日足チャートを見る限りは、「ユーロ売り・米ドル買い」のシグナルしかない。
考え方は、引き続き、まったく同じ。
ユーロの売りポジションが積み上がっていて、目先のストップ・ロスでユーロの買い戻しは出やすいものの、基本的には「ユーロ売り・米ドル買い」のトレンドに変化はない。
ユーロ/米ドルについては、どこまで落ちるのか見当がつかない。
■買い戻しせず、ユーロ・ショートはキープすべき!
続いても、ユーロ/米ドルの日足チャートをご覧いただきたい。
以前から、このコラムを読んでいただいて読者のみなさんには、記憶に新しいところだろう。
3月3日のコラムに掲載したチャートで示した1.3050ドルのターゲットが、5月4日(火)の値動きで達成されたのだ。そのときのチャートを下に示しているので、上にある5月6日(木)作成のチャートと見比べていただきたい(「改めて「フラッグ」を作る可能性が出てきたユーロ/ドルの次の下値メドは1.3050ドルか」を参照)。
1.3750ドルを下に割り込んで行く場合、1.3050ドル近辺がターゲットになると指摘した。
ここで、1.3050ドルをターゲットとしたのであれば、当然、それよりも高い水準で売っているのだから、1.3050ドルより安いところで買い戻しの利食いを行い、マーケットからゲットアウトすることも戦術の1つであろう。
そういう考え方もある。
しかし、個人的には、1.3000ドルも下に割り込んでいるのだから、新たな展開を迎えていると考えている。
むしろ、この局面では、ユーロ/米ドルのショートポジション(売り持ち)をキープすべきだと思う。
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