やっぱり、97~99年の日本のように、公的資金で不良債権を買い取る機構を作り、さらに各金融機関へ公的資金を投入(政府による株式の購入)、ここまでは最低やる必要があるよね、というのが大体のコンセンサスとなっていました。
ただ、ブッシュ大統領はこういう政府が介入することは嫌いだから、そんなに簡単にはできないだろうね、というのがここのところのみんなの雰囲気でした。
■ポールソン氏がついに不良債権買取機関の創設へ!
そんなこともあり、この週末に出てきた金融機関の不良債権買取機関の創設には、「あっ! いよいよやったな」というのが感想です。ポールソン氏が何とかブッシュ大統領を説得したようです。
金曜日の朝、これが発表された時、僕のアシスタントにこのニュースは今までのものと違うので、ちょっともぐら叩き戦法は一時的に休止すると伝え、各レポートにもそういうメッセージを書きました。金曜日の午前中に自分のブログ「風を読む」にも警戒警報を発しておきました(”もぐら叩き戦法”については前回記事「リーマン・ブラザーズがついに破綻! 金融危機下での『もぐら叩き戦法』とは?」を参照)。
さて、ここからの相場は今までよりも少し難しくなってきました。8月はアメリカ以外の国の景気が大きく落ち込んできたことがテーマとなって、円高、ドル高が進みました。

■ポジションは縮小するものの、もぐら叩き戦略を再開
しかし、為替相場というのは移り気です。ここまで大きな出来事が起きると、しばらくアメリカに注目が集まることも考えられます(その後はまたアメリカ以外の国の景気、金融政策がテーマとなってくるでしょうが…)。
かつて日本で起きたことから推測すると、今回の措置だけで市場が安定してくるとは考えられませんが、しばらくは市場VSポールソン米財務長官の戦いが続きますので、少し高みの見物をしゃれてみるのもいいかもしれません。
ただ、僕自身の基本認識は変わっていないので、ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円などで、失敗してもあまり痛手を負わないように少しポジションを絞ってもぐら叩きを再開しています。


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