前回のコメントで、以下のように述べた。
ユーロ/ドル(EUR/USD)に関しては、「目先の大きな流れは、『ユーロ売りドル買い』と考えているが、当面は、1.46から1.48の『ボックス相場』、ないしは、1.46から1.50の『ボックス相場』と見ている」(「ユーロ/ドルは依然として1.46アラウンドが重要なチャート・ポイント」参照)
■再び1.46を割り込んだユーロ/ドル
8月下旬になって、ユーロ/ドル(EUR/USD)は、一時、[1.4600]を割り込んだが、チャートでいう、「フェイル(失敗)」を起こし、その時点では、急落につながっていなかった。
しかし、「フェイル(失敗)」を起こしたものの、[1.4600]アラウンドが重要なチャート・ポイントであることに変わりがない、と考えていた。そのことも前回すでに述べている。
そして、一昨日(9月1日)のNY市場で、再び[1.4600]を割り込み、1.45台後半をつけた。

昨日(9月2日)の東京市場のユーロ/ドル(EUR/USD)は、[1.4600]を割り込んだ、1.45台後半での小動きで、東京勢(アジア市場参加者)は、手が出ない雰囲気だった。
市場参加者の気持ちとしては、「ユーロ売りドル買い」なのかもしれない。ユーロ/ドルはすでに大きく下落しており、この安値水準を「売る」勇気に欠けた、といったところだろう。
ユーロ/ドル(EUR/USD)の下落が、7月中旬の[1.6000]アラウンドから始まったと考えると、ユーロ/ドル(EUR/USD)は、すでに、軽く1000ポイント以上(=約1500ポイント)の急落を見ている。
昨日(9月2日)の東京市場の夕方になって(東京時間15:00をすぎて)、中東勢、欧州勢が参加してくると、「ユーロ売りドル買い」が鮮明となった。
東京市場夕方には、1.45台後半だったユーロ/ドル(EUR/USD)は、ロンドン市場の朝方に1.44台後半に急落した。
■直近のユーロ/ドルの上昇は「揺り戻し」にすぎない
昨日(9月2日)のNY市場は、ロンドン市場でユーロ/ドル(EUR/USD)が急落した後の調整の値動き。
NY市場では、1.44台後半から、1.45台ミドルに、小幅リバウンド(上昇)している。

相場が大きく下落した場合に、その後で、急な買い戻しが起こって、相場が急反発することが多々ある。こういった値動きを「揺り戻し」と呼ぶ。
ただし、「揺り戻し」の場合は、おおもとの流れ(相場の動き)よりも値幅が小さい。
つまり、相場が売られて大きく下落した後で、「揺り戻し」が起こり、反転、急反発しても、相場が下落を始めた水準まで戻るわけではない。
「揺り戻し」が起こると、その水準で、小さな「レンジ相場」を作ることが多い。
昨日(9月2日)のNY市場では、ユーロ/ドル(EUR/USD)のリバウンドも1.45台ミドル程度までで、チャート・ポイントだった[1.4600]アラウンドには届いていない。
現在(9月3日水曜日、東京市場午前)のユーロ/ドル(EUR/USD)は、典型的な、急落後の下値保ち合い(=小さな「レンジ相場」)を形成している。
■ユーロ/ドルはさらに下落する可能性あり!
現時点のマーケットでは、チャート・ポイントだった[1.4600]アラウンドを下に抜けたので、さらに、もう一段、ユーロ/ドル(EUR/USD)が下落する可能性も大きい。
値ごろ感で、ユーロ/ドル(EUR/USD)を買うのは薦められない。
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