第2段階はインフレの影響です。普通の景気サイクルですと、景気が悪くなってくると消費の落ち込みから物価も下がっていきます。
しかし、今は世界的な資源価格の高騰がインフレの原因なので、アメリカの景気が悪くなっても物価が下がりません。そのため、物価の上昇が消費を落ち込ませるので、今度は製造業や小売などの業種がダメになってきます。自動車産業などはそのもっとも典型的な業種です。
さらに、エネルギー価格の上昇で輸送費が高騰してくるので、輸送、運輸などの業種もダメになってくる。潤っているのは資源関連業界だけという状態になっていきます。株式市場には明るい材料が見当たりません。
■FOMCの声明文は支離滅裂な内容
先日FOMCがありました。政策金利は据え置きとなりましたが、声明文の内容がひどい。「インフレがとても心配である」という一方で、「年末から来年にかけては、インフレは落ち着くと期待している」と神頼みのようなことを言っています。
また、景気に対しても「以前より景気がさらに悪くなるリスクが減ってきている」という一方で、「消費も悪いし、金融市場も不安定。おまけにエネルギー価格の高騰で今後景気は悪くなりそうだ」。一体何が言いたいのだろうと思ってしまうほど支離滅裂な内容となっていました。
景気が悪いのに物価が下がらない。こういうのをスタグフレーションといいますが、みんなこういう状況を経験していないので、どうして良いのかわからないというのが本当のところなのだと思います。
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