本記事は2009年に行うFXの確定申告(2008年分)について紹介した記事です。2017年に行うFXの確定申告(2016年分)に関する記事は、以下の【参考コンテンツ】でチェックしてください
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●FXの確定申告にも「マイナンバー」必須!負けた人ほど申告を!? FXの税金総まとめ!
店頭FXも取引所取引もFX会社のサイトにログインし、取引している限り、そんなに大きな違いは感じないかもしれないが、これが税制上は大違いなのである(なお、現状ではFXの取引所取引は「くりっく365」だけなので、以下、取引所取引については「くりっく365」と表記する)。
■分離課税の「分離」ってどういう意味?
下図のとおり、所得税の算出方法には大きく分けて、総合課税と分離課税の2種類がある。これと店頭FX、「くりっく365」がどう結びつくのか? 柴原さんに解説してもらおう。

「所得には給与所得、不動産所得、事業所得、一時所得、雑所得などさまざまな区分がありますが、1年間のこういった所得を合算して所得税を計算するのが総合課税。所得税の原則は総合課税で、大半の所得は総合課税になります。
一方、分離課税は例外的な課税方式。『分離』というのは、合算しないで分離して別計算しますよ、という意味です。分離してどうするかというと、掛ける税率が総合課税とは違うのです。
上の図を見てください。店頭FXは総合課税となります。また、その所得の区分は雑所得です。
総合課税は所得に応じて税率が15~50%と変化します。所得が多いほど、税率が高くなるのです。総合課税ですから、FXで儲けた額だけでは税率が決まりません。一般のサラリーマンなら、給与所得がどれだけあるかということが関係してくるわけです。
また、15~50%というのは正確に言うと、その中に住民税10%が含まれているので、所得税だけでいうと5~40%になります」
■申告分離課税の「くりっく365」は一律税率20%
「分離課税は申告分離課税と源泉分離課税に分かれます。
申告分離課税の『申告』とは何を指すかというと、これは確定申告の『申告』なんです。分離課税だから総合課税とは別の税率をかけるんだけれど、確定申告書には総合課税といっしょに書きますよ、ということです。
上図のとおり、『くりっく365』は申告分離課税になります。税率は利益の額に関係なく、一律20%です。もっと正確に言うと、20%のうち、所得税は15%、住民税は5%となっています。
また、『くりっく365』の所得区分は雑所得なのですが、その中でも『先物取引にかかる雑所得』というものに該当します」
結局、店頭FXの場合は総合課税となり、税率は所得の額(正確には課税総所得金額)によって15~50%と変化する。一方、「くりっく365」は税率が一律20%だから、どちらがトクかはその人の所得額によって異なることになる。
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