まずは、ユーロ/円の月足チャートをご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、ユーロ/円が2000年を大底に大きく上昇したことがよくわかる。その上昇は、緑の破線で示したサポートラインに沿ったものであった。
だが、2008年に緑の破線のサポートラインを下に割り込み、大きく下落した。
ユーロ/円はこの大暴落(クラッシュ)で、それまでの上昇トレンドから下落トレンドに転換したと考えている。
大暴落(クラッシュ)の後、2008年後半から2010年4月までは、下落トレンドに転換した後の「安値保ち合い」となっていた。
しかし、ギリシャの財政問題をきっかけにして、2009年後半にユーロ/米ドルが下落を始めたことから、ユーロ/円も連れて、下落傾向が鮮明になっている。
テクニカル分析(チャート分析)において、ユーロ/円はピンクの破線で示したサポートラインを維持できるかが注目されていたものの、この5月にあっさりと割り込んでいる。これにより、「売りシグナル」が再び点灯した。
また、下値メドだった112.00円を割り込んだ時点で、さらに「売りシグナル」が発せられている。ちなみに、この112.00円レベルは、2008年の大暴落(クラッシュ)の際の安値水準だ。
このところの相場では、ユーロ/米ドルが目先のリバウンドを見せていたことから、ユーロ/円も連れて、リバウンド気味に動いていた。
しかし、本来の下落トレンドに戻った場合は、再び大きく急落する可能性がある。このことに留意すべきだ。
なお、今週に入って、ユーロ/円は本来の「下落トレンド」に戻っていると筆者は見ている。
■「ボックス相場」下抜けで「売りシグナル」が点灯
続いては、ユーロ/円の週足チャートをご覧いただきたい。
週足チャートを見ると、2008年の大暴落(クラッシュ)の後、2008年後半から2010年4月まで、上限が140円程度、下限が112円程度の「ボックス相場」を形成していたとことがわかる。
だが、この5月に112.00円を下に割り込んだことで、「売りシグナル」が発せられた。
また、現在のユーロ/円のレジスタンスラインは青の破線(太線)で示したものだと考えている。
つまり、この青の破線(太線)を上抜けない限り、ユーロ/円は「売り」であるということだ。
■このところの反発は、急落後の調整局面であった
次は、下に示したユーロ/円の日足チャートをご覧いただきたい。
このところのユーロ/円について、筆者は大きく下落した後の調整局面にあったと考えている。
それは、短期的なレジスタンスラインを上抜けて上昇したことで、それまでユーロ/円を売ってきた市場参加者が、いったんの買い戻しを行ったためであろう。
日足チャートで、下側のピンクの破線が従来の短期的なレジスタンスラインであるが、これを上抜けていた。
だが、足元ではリバウンドが続かずに再び下落してきており、改めて少し上側に、新たな短期的なレジスタンスラインが現れたと考えている。
つまり、短期的なレジスタンスラインが、下側のピンクの破線から、上側のピンクの破線にシフトしたと見ている。
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