このところのマーケット(外国為替市場)では、米国のリセッション(景気後退)が明白であるにもかかわらず、それを材料視していない。
■米国は明白なスタグフレーション状態にある
オイル価格や原材料価格が高騰しているのは全世界的な問題で、米国だけの問題ではない。つまり、インフレは、全世界的な問題だ。
しかし、それでも、米国(FRBや米国財務省)が、現在、インフレ懸念を重大視していることを考えると、米国は明白なスタグフレーション状態だ、と判断している。
※【スタグフレーション】(Stagflation )
stagnation(停滞)とinflation(インフレーション)との合成語。
[stagnation+inflation]
景気の停滞にもかかわらず、一般物価水準が継続的に上昇している状態。不景気とインフレが併存している状態。
しかし、マーケットは、米国のリセッション(景気後退)を、深く取り上げていない印象だ(つまり、織り込んでいない状況と考えている)。
「フレディマックとファニーメイの事実上の破綻」に対しても、それを米政府が救済したことばかりがクローズアップされている様子だ。
フレディマックとファニーメイの事件は、『サブプライム・ローン問題に起因して、米国大手金融機関が破綻した』ということだ。
そうとらえると、ことは重大なのだが、何だか、マーケット(外国為替市場)は、この事柄も無視しているように感じる。
「米国のリセッション(景気後退)」を認めると、センチメント(市場心理)が悪化して、スパイラルに悪い面が材料視される可能性がある。
それで、多くの市場参加者が『無意識に「米国のリセッション(景気後退)」を材料視するのを避けているのではないか?』
といった感覚が残る。
『意図的に、米国金融機関の破綻を、材料に取り上げたくない、といった心理が働いているのではないか?』
と感じる。
■外国為替市場は「夏休みモード」
もっと目を短視眼的に移してみよう。
今週の外国為替市場(FX市場)では、ドル円(USD/JPY)の動意も薄く、すでに「夏休みモード」になっている。

「夏休み相場」とは、市場参加者が少なくなっている状態を指す。
市場参加者の少ない時は、不測の事態が起こった場合に、展開が読みきれないものだ。
市場参加者が多い時は、それなりに過去の経験則やら、データが通用するのだが、市場参加者の少ない場合は当てはまらなくなる。
■もし、ランチをとる人が1000人いたら…
もう少し、具体例を挙げよう。
ランダムに、1000人がいた場合に、お昼ご飯を食べる時間は、ほぼ正午前後に集中する。
しかし、それでも、何人かは…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)