いずれは必ず上下どちらかに抜けて、「買い」または「売り」のシグナルを発することになる。それは時間の問題で、未来永劫、現在の狭いレンジに収まるはずはない。近い未来に、必ずどちらかに抜けることになる。
週足チャートでは、「a」で「買いシグナル」、「b」で「売りシグナル」が点灯する。
現時点だと、個人的にはピンクの水平線を下抜けて、「b」の「売りシグナル」を発するのだろうと考えているのだが…
これはあくまで単なる個人的な思惑であって、テクニカル分析(チャート分析)では、そういったシグナルはまだ見られていない。
ただし、短期的なサポートラインであるピンクの水平線を下抜けても、その下に、歴史的な米ドル/円の安値である80.00円(正確には79.75円)が控えていることを、ここで付け加えておく。
■昨年11月安値の84.80円割れが見えてきた!?
続いては、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
ちなみに、これは180本足(180営業日)のもので、土曜日と日曜日が除かれているために、約8カ月分のチャートが表示されている。
日足チャートを見ると、米ドル/円が半年以上にわたり、上限は95円程度、下限は85円程度の上下10円の値幅の中で、上下動を繰り返していることが読み取れる。
半年以上も10円程度の値幅に収まっているのだから、比較的静かで、緩慢な状態にあると言える。ただ、それなりに上下動していることも見て取れる。
緑の破線は目先のレジスタンスラインで、ピンクの破線で示した水平線は2009年11月安値の84.80円レベルだ。
また、チャートの「c」は「買いシグナル」、「d」は「売りシグナル」が点灯する地点で、現時点では、個人的にはピンクの水平線を下抜けて、「d」の「売りシグナル」を発するのだろうと考えている。
ただし、これも単なる個人的な思惑で、テクニカル分析(チャート分析)では、そういったシグナルはまだ見られていない。
■ここで買うぐらいなら、相場をやらないほうがよい
週足チャートに補助線を描いたものと、日足チャートに補助線を描いたものとを比べると、同じような補助線の引き方になる。
ただし、見てわかるように、レジスタンスラインの傾きが違う。週足チャートのレジスタンスラインのほうが傾きが緩やかで、上方にある。
つまり、日足チャートに示したレジスタンスラインのほうが傾きが急で、下方にあるということになる。
これで、何をお伝えしたいのかというと…
仮に、日足チャートで「c」の「買いシグナル」が点灯しても、その上には週足チャートのレジスタンスがあり、「a」の水準にはすぐに届かない。つまり、本格的な「買いシグナル」は、すぐには点灯しない。
それに対して「b」=「d」なので、84.70-80円の水準を下抜ければ、すぐに「売りシグナル」が点灯するということだ。
大局で、トレンドで戦うならば、ここでの「米ドル/円の買い」はセオリーに反する。
米ドル/円を取引するならば、どこかで「米ドル売り・円買い」のポジションを取るべきだ。
だが、90.00円を割り込み、現在の80円台の水準でショート(売り持ち)にするのは、精神的に苦しいところだ。
持つならば、ポジションを小さくして、負けてもよいくらいの覚悟で「米ドル売り・円買い」としたいところ。
個人的には、ここで米ドル/円を買うぐらいなら、相場をやらないほうがよいと考えている。
最近のマーケットでは、米国のさらなる金融緩和政策が話題になっているが、米ドル/円が下落する場合、それが材料視されるのだろうと考えている。
(2010年8月10日 東京時間17:30記述)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)