
■ドル/円はわずか3日間で上下2円以上の激しい振幅に
たとえば、ドル/円は、4月27日(月)に97.00円近辺で取引を開始した。4月28日(火)には95円台ミドルまで大きく下落し、日本が「昭和の日」でお休みの4月29日(水)には98.00円付近まで急上昇している。
4月29日(水)は、米国で重要な経済指標であるGDP速報値が発表された。それは事前予想よりも悪い数値だったが、その後にFOMC(連邦公開市場委員会)の結果発表を控えていたために、無視された格好となった。
■マーケットはなんらかの「きっかけ」を探していた!
FOMCでは、ドルの政策金利を0.00~0.25%に据え置くことが発表された。金利政策についてのサプライズはなかった。
しかし、「景気見通しは3月に比べ緩やかに改善した」とする声明文の評価にマーケットは反応して、それまで97.00円近辺で推移していたドル/円は、発表後に98.00円レベルまで急伸している。

それまで「ドル売り/円買い」気味に推移していたマーケットが、FOMCの声明文発表をきっかけに「ドル買い/円売り」となって、短時間で急騰しているのだ。
ドル/円を売っていた投資家の損切り(=買い戻し)が目先で出たのだと考えられるが、特段にFOMCの声明文がドル/円の買い材料になるとは思わない。
「景気見通しは3月に比べ緩やかに改善した」がセンチメント(市場心理)を改善させたのだろうが、それが実態を伴った改善なのか、伴わないのかは不明だ。
しかし、なんらかの「きっかけ」を探していたマーケット、つまり、ドル/円を売っていた市場参加者の「損切り」を誘発したがっていたマーケットは、通常ならば、それほど大きな反応にはならないような「材料」を「きっかけ」にしたのだ。
■ゴールデン・ウイークの相場は一方通行に動きやすい
今週に入ってから外国為替市場の振幅が大きいのは、「ゴールデン・ウイークだから」と考えている。
ゴールデン・ウイークのマーケットは、市場参加者が極端に少なくなり、流動性リスク(リクイディティ・リスク)が高くなるのだ。
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