日本にあるリーマン・ブラザーズ証券も本日民事再生手続きを申請しています。リーマンには私の知り合いもたくさんいるのですが、ちょっと連絡しづらくて困ってしまいました。落ち着いたら電話してみようと思います。
しかし、これで、大手米系証券のうち、3つがなくなることになり、残るはゴールドマンサックスとモルガンスタンレーだけになりました。恐ろしい……。
現在、アメリカの保険最大手のAIGも資金繰りが困難になり、FRBや各金融機関に融資を要請しているようですが、これもどうなることか。ひょっとするとひょっとするかもしれません。
■ベアスターンズは助けて、リーマンは助けないおかしさ
今年3月にベアスターンズが経営危機に陥った際、FRBがJPモルガン・チェースに緊急融資を実施、その資金を活用してJPモルガン・チェースはベアスターンズを買収しました。
このしくみでは、買収に関連して損失が発生した場合、FRBが損失を保証するという条件がついていました。それに加えて、FRBが損失を計上した場合、政府への上納金を減額できるという点で実質政府が損失保証をするというおまけまでついていました。
また、1週間前には大手住宅金融公社ファニーメイとフレディマックに最大で20兆円の公的資金を投入することが決定されています。
しかし、今回米当局は公的資金の投入を拒否したようです。ベアスターンズは助けて、リーマンは助けない。全く整合性の取れない行動になってしまっていることに、今のアメリカの置かれた状況が如実に現れているのではないでしょうか? つまり、もう限界に来ているということです。
■他の金融機関に巨額の追加損失が生じる可能性
リーマンの破綻はいくつかの影響を市場に与えます。まず、1点目はリーマンに対して債権を持っている金融機関や投資家に損失が発生する。第2にリーマン破綻により、他の金融機関は大丈夫なのか? という不安が蔓延し、取り付け騒ぎが起きる可能性があるということです。
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