
■取引所取引って、なんで今注目されてるの?
金井京子(以下、金井) 「くりっく365」って最近よく耳にするけど、一体どんなものなんですか?
ネコ井口(以下、ネコ) FX取引には2種類ある。ひとつは一般的に行なわれている「店頭取引」。これはFX会社と投資家が1対1で取引を行なうものなんだけど、「くりっく365」つまり「取引所取引」(※)は投資家が取引所を通じて売買を行なうニャ。
金井 今のセリフだけで「取引」が6回も出てきましたね(笑)。
ネコ ちょっとややこしいニャ(笑)。具体的には東京金融取引所というところがあって、投資家はそことやりとりをしているんだ。
金井 FX会社と取引しているというわけではないんですね。
ネコ 間にFX会社は入るけど、投資家の最終的な取引相手は取引所ということなんだニャ。
金井 でも今、どうして取引所取引が注目なんですか? 別に店頭取引でも問題はないですよね?
ネコ それはこの夏からレバレッジ規制が実施されるからなんだ。
金井 8月1日から最大50倍までに規制されて、さらに1年後には上限が25倍になるんですよね?
ネコ うん。取引所取引は以前からあるんだけど、レバレッジの上限の低さがネックのひとつだった。それが規制によって店頭取引との差がなくなりつつあるニャ。野村ジョイも参加を発表するなど「くりっく365」の取り扱いFX会社も増えているし、手数料の値下げ競争なんかも起こっているよ。
金井 なるほど。私もちょっと興味が出てきたかも。店頭取引とはどんな違いがあるんですか?
ネコ OK。じゃあ、次のページから具体的な違いについて説明していこう。
(※この他にFXの取引所取引には「大証FX」がある)

■FX会社は仲介するだけ。取引相手は金融取引所
金井 さっきの話だと、「くりっく365」で私たちが最終的に取引する相手は取引所なんですよね?
ネコ そう。それが取引所取引と店頭取引の最大の差だニャ。
金井 それで、どんな違いが出るんですか?
ネコ レートの決め方が違うニャ。店頭取引では、FX会社がカバー先と呼ばれる金融機関を通して、インターバンク市場と為替のやりとりをするんだ。FX会社はそのレートを基に、会社ごとのルールに沿って、いくらか上乗せした独自のレートを個人投資家に提示するところが多い。だから各社でレートが異なってくるんだニャ。
金井 なるほど。それぞれの会社で提示されるレートも、上乗せされる金額も違うんですね。
ネコ そう。でも取引所取引だとこのレートはどこも同じなんだ。
金井 あ、それはいいですね。
ネコ さらに取引所取引では「マーケットメイカー」と呼ばれる複数の大手金融機関が提示するレートから一番有利なものを金融取引所が選んで、一括して提示するんだ。このとき、「売り」「買い」それぞれで一番有利なものを選んでいるニャ。
金井 なるほど。それはわかりやすくていいかも!
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