月足チャートで見ると、ユーロ/円は長期間にわたって上昇を続けており、大きく上昇していた様子がはっきりとわかる。下に示したチャートでは、その上昇の際のサポート・ラインを「緑の破線」で表示した。
2008年に、そのサポート・ライン(緑の破線)を割り込んで急落(大暴落)したこともよくわかる。
ユーロ/円は、ユーロ/ドルよりも長い期間、上昇トレンドが持続している。
ユーロ/ドルは2002~2008年の6年間にわたって上昇を続けていたが、ユーロ/円は2000年10月につけた88.80-90円から、2008年8月につけた169.40-50円まで8年間程度の長期間にわたって上昇を続けたことになる。
ユーロ/円の月足チャートを見ると、2008年9月に明確な下落シグナルを発していた。そして、この急落(大暴落)によって、トレンドは「ユーロ安/円高」に転換したと考えている。
■足元の急反発は、大幅下落後の調整なのか?
この大暴落の直前に高値をつけたのは2008年8月。つまり、まだ10カ月程度しか時間が経過していないのだ。
外国為替市場のトレンドは通常、2~3年程度続く。このことを考慮すれば、ユーロ/円の下落トレンドが転換した、と安易に考えるのは危険だ。
月足チャートで見ると、2009年1月につけた直近安値の112.00-10円レベルから、足元では137円台まで大きく上昇している。リバウンドの値幅は25円にもなる。
しかし、この25円の上昇をもって、ユーロ/円が下落トレンドから上昇トレンドに転換したと考えるべきではない。大きく下落した後の調整が続いていると考えるのが、もっとも常識的な判断だと思っている。
■三尊のターゲット達成で、相場が反転するとは限らない
週足チャートで見ると、ユーロ/円は典型的な「ヘッド&ショルダー(三尊)(※)」を完成している。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー(三尊)」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッドアンドショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
「ヘッド&ショルダー(三尊)」が完成した場合は、ネック・ライン(149円レベル)から高値(170円レベル)までの値幅、すなわち、ネック・ライン(149円レベル)から21円(170−149=21)分だけ、さらに下落する。だから、128円(149−21=128)がターゲットになる。
注意しなければいけないのは、「ヘッド&ショルダー(三尊)」のターゲット(128円)を達成したからと言って、相場が反転するとは限らないということ。
現在のユーロ/円は、「ヘッド&ショルダー(三尊)」のターゲット(128円)を達成し、その後は「下値保ち合い」(安値圏での「ボックス相場」)を形成中であると考えている。
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