まずは、ユーロ/米ドルの月足チャートをご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、ユーロ/米ドルが長期にわたって大きく上昇し、2008年にクラッシュ(大暴落)を起こしたことがわかる。その際に、緑の破線で示したサポートラインを下にブレイクした。
ただ、2008年のクラッシュの後、2009年のユーロ/米ドルは大きく上昇した。
この上昇は、いわゆる「ドル・キャリートレード(※)」によるもので、大量の「ユーロ買い・米ドル売り」が行われたためだと考えている。
この年は通年で、米国が事実上の「ゼロ金利政策」を採っていたので、金利差享受を狙った「ユーロ買い・米ドル売り」が拡大したのだろう。
しかし、2009年12月以降、ユーロ/米ドルは再び下落を始めている。
2008年のクラッシュ(大暴落)と比較すると、まだ、たいした動きになっていないように見えるが、今のところ、高値の1.51ドル台から1.32ドル台まで、1900~2000ポイントの下落となっている。
事実上、4カ月で2000ポイント近く急落したのだから、決して小さな動きではない。
(※編集部注:「ドル・キャリートレード」とは、低金利の米ドルを安いコストで調達し、それを売って、より高い利回りの資産に投資する取引のこと。いわば「米ドル売り運用」。)
■サポートラインを割り込むと1.0000ドルも視野に!?
ここで、上記の月足チャートに補助線として、ピンクの破線でサポートラインを加筆してみた。
このピンクの破線を安易に加筆することは、これまで控えていた。
ダイナミック過ぎる考え方であるためだ。
しかし、実際にピンクの破線を引いてみると、さほど違和感がない。
もし、ピンクの破線で示したサポートラインを下に割り込む場合は、強烈な「売りシグナル」が点灯することになるだろう。
ただ、割り込めば強烈な売りシグナルになるのならば、その手前のところ、ピンクの破線の内側は、当然ながら、強いサポートになることにも留意すべきだが…
このサポートラインを下に割り込むような場合には、ユーロ/米ドルの下値ターゲットとして、1.0000ドルも視野に入ってくると考えている。
■大きな「ヘッド&ショルダー」を作る可能性が出てきた
続いては、ユーロ/米ドルの週足チャートをご覧いただきたい。
週足チャートを見ると、ここ数年のユーロ/米ドルが大きく上下動を繰り返していることがわかる。
このチャートから、現在は下落局面で、レジスタンスラインに従って、一定のスピードで下落していることが読み取れる。
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