まず、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
米ドル/円は、4月上旬に101円台ミドルの戻り高値をつけてからは、上値を徐々に切り下げて、緩やかに下落している。チャートでは、レジスタンスラインを緑の破線(太線)で表示した。
ちなみに、緑の破線(太線)は4月につけた101円台ミドルと、8月につけた97円台後半を結んだものだ。
そして、緑の破線(細線)で示したように、このレジスタンスラインと平行に、2本の線を引いた。
「パラレルライン」(レジスタンスラインの平行線)は、3月安値の93円台ミドルに合わせて引いたもの、ならびに、7月安値の91円台後半に合わせて引いたものとなっている。
2009年に入り、2~3月から現在に至るまで、米ドル/円は大きな上下動を繰り返している印象があるが、基本的な流れは「下落トレンド」と考えている。つまり、米ドル安/円高トレンドということだ。
■このまま90.00円を割り込む展開か?
徐々に上値を切り下げている様子は、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインで読み取れる。その右下がりの傾きが、4月上旬から現在に至る下落のスピードだ。
この下落のスピードが持続すると考えるならば、下値メドは、前述した2本の「パラレルライン」のいずれかである可能性が高い。
仮に、下値メドが、7月安値の91円台後半に合わせて引いた平行線だとすると、ここから先の下落余地は小さく、90.00円レベルがサポートとなるだろう。
また、3月安値の93円台ミドルに合わせて引いた平行線だとすると、90.00円を割り込み、2009年安値である87.00円レベルに近いところまで、もう一段急落する可能性がある。
つまり、90.00円を割り込み、さらに、オプション絡みのストップロス(損切り)が集中する89.50円を割り込むか否かが注目点となる。
ただ、90.00円を割り込むのか、割り込まないのかは、当然ながら、事前には誰にもわからない。また、どう考えるのかは、それぞれの市場参加者の予想・思惑に過ぎない。
だから、万人が、今後の値動きで、90.00円に注目するしかない。
個人的には、90.00円を割り込むパターンを望む。その方が活発な値動きになるだろうし、相場としておもしろい展開になる。
■「リスク&リターン」に沿った手法では、どう対処すべき?
ただし、このような思惑や期待感ではなく、リスクを縮小してリターンの極大を狙う「リスク&リターン」を追求する場合、ポジションを上値でショート(売り持ち)にしているならば、いったん、90.00円の手前で利食いの買い戻しを行うのがよい。90.00円割れとなるか否かに、こだわるべきではない。
そして、90.00円を割り込み、さらに89.50円を割り込むならば、そこで改めて、ポジションをショート(売り持ち)にすればよい。
この作戦は、チャートポイントである90.00円、89.50円に従った、セオリーどおりの行動パターンと言える。
個人的には、そこまでていねいに対処・対応するのは面倒なので、今回に関しては、この行動パターンを採らない。そのまま、ショート・キープでよいと考えている。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)