今回は、米ドル/円以外の通貨ペアの年間予想を書いてみたいと思います。そのキーワードの1つも、やはり米国の利上げだと思います。
■米国の利上げは今年後半? ならばユーロは??
まずは、ユーロについてです。
過去を振り返ると、ECB(欧州中央銀行)が誕生してからこれまで、金融政策の初動はことごとくFRB(米連邦準備制度理事会)を後追いする結果が続いてきました。
利下げでも、利上げでも、最短では4カ月、最長では18カ月、平均ならば9カ月といったところです。

このパターンが今回も変わらないなら、FRBは今年後半にも利上げといった予想になり、ECBの利上げは、それよりも4~18カ月程度後になるという見通しになります。
たとえば、米国の利上げが今年8月ならば、ECBの利上げは最短で今年12月、基本的には2011年以降といった見通しになるわけです。
■米国の利上げ前には米ドル高・ユーロ安となりやすい
そして、ECBの金融政策の初動がFRBの後追いとなるためなのか、米国の利上げ開始前には、米ドル高・ユーロ安が先行しやすいという傾向があります。
たとえば、前回の米国の利上げ開始は2004年6月で、前々回は1999年6月でしたが、ともに利上げが始まる数カ月前から、米ドル高・ユーロ安が10%程度進みました。

そして、実際に米国の利上げが始まると、2004年6月、1999年6月のケースともに、今度は米ドル安・ユーロ高の動きに転じました。
米国の利上げの後追いで、今度はECBの利上げを織り込む形でのユーロ買い・米ドル売りになったということなのかもしれません。
■ユーロ/米ドルは、この春にも1.35ドルへと向かう!?
さて、このパターンが今回にも当てはまるならば、米国の利上げ開始の数カ月前から米ドル高・ユーロ安となり、実際に米国の利上げが行われた後は、米ドル安・ユーロ高になるといったシナリオが基本になりそうです。
そして、「米国の利上げ前の米ドル高」が10%程度ならば、1.5ドル→1.35ドルといった見通しになります。
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