ドル/円は、引き続き非常に読み難い展開が続いている。
6月6日(金)に発表された5月の米国失業率は[5.5%]。
4月の米国失業率は[5.0%]だったのだから、[0.5%]の悪化。
事前の予想値は[5.1%]であり、予想値と比べても[0.4%]の悪化。
これだけ悪い数値も、そうそうお目にはかかれない。
■失業率が大幅悪化したのにドル/円はさほど下落しない妙な値動き
6月6日(金)、106円台前半で推移していたドル/円は、米国失業率の悪化で105円台ミドル程度に下落した。
しかし、この日の値動きで変だったのは、いったん105円台ミドル程度に急落してから、再び、106円台前半に戻したこと。
そうそうお目にかかれないほど、悪い数値だったにもかかわらず、いったん戻したのは、妙な値動きだ。
下落した値幅も、[0.5%]の悪化にしては小さすぎる。
「何かしらの巨額のドル買い」が待ち構えていた印象だ。
結果的に6月6日(金)のニューヨーク市場のドル/円は、[105.00]近辺まで下落して引けた。
翌週月曜日(6月9日)の東京市場が始まる前のシドニー市場では、ドル/円は、さらに下落して、[104.40]の安値をつけている。
特別なニュースがなければ、もう一段のドル下落となったのだろう、と考えている。
しかしながら、特別なニュースがあった。
6月の第2週になって、米国高官から介入を示唆する発言などが相次いだのだ。

ドルの下落は、米国の輸入物価を押し上げることになるのだからインフレ要因。
そこにきて、また、バーナンキFRB議長がインフレへの懸念を示した。「インフレ懸念ならば、ドル金利の引き上げ」と連想が続き、ドル買いの材料となった。
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