その意味では、5月の株安が「間違い」だとするならば、6月に早々と修正される可能性はあるでしょう。

また、金利に注目すると、米国の長期金利(10年物国債の金利)は6月に、重要なトレンド転換が起こるという「アノマリー」があることをご紹介しました(「『スピード違反』の域に入ったユーロ安は、米金利の6月アノマリーでクライマックス!?」を参照)。
その意味では、5月に起きた金利低下が「間違った」ものならば、それはこの6月に修正され、金利上昇へと転換する可能性が考えられるでしょう。
■「何でもユーロ安」はいつまで続くのか?
こんなふうに、5月からの株安&金利低下が「間違い」であり、それがこの6月にも修正されるとしたなら、そのきっかけになったユーロ危機は一段落となるのでしょうか?
下の図はユーロ/米ドル相場と米国の長期金利を重ねたものです(※)。
これを見ると、これまで半年以上続いてきたユーロ安・米ドル高が、4月までは米国の金利上昇に連れた米ドル高であって、4月以降は米国の金利低下にもかかわらず米ドル高・ユーロ安であったことがわかるでしょう。
(※編集部注:以下のチャートのうち、ユーロ/米ドルのチャートは通常よく使われるチャートとは逆転しており、「上がると米ドル高、下がるとユーロ高」という形になっている)

4月までの米国の金利上昇は、世界景気回復に伴うリスク選好の結果で、4月以降の米国の金利低下は、世界同時株安などを受けたリスク回避の結果です。
つまり、ユーロ安は、4月まではリスク選好の結果として、4月以降はリスク回避の結果として起きたもので、まったく異なる「2つの顔」によって展開してきたと言えます。
リスク選好でも、リスク回避でもユーロ安。そして、ギリシャ懸念でも、ハンガリー懸念でもユーロ安といった感じです。
この「何でもユーロ安」といった構図はいつまで続くのでしょうか?
理屈抜きで無条件反射的な動きは、転換点が近いということではないでしょうか?
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