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松田哲の「FX一刀両断!」
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米国経済に回復の兆し…は真っ赤なウソ!
雇用統計を見れば、米ドル売りしかない!!

2009年11月11日(水)13:53公開 [2009年11月11日(水)13:53更新]

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 米ドル/円は、10月初旬に87.95-05円の安値をつけたが、そこから反発し、その後は92.30-35円までのリバウンドを見せた。

 しかし、この反発上昇はあくまで調整に過ぎず、トレンドは引き続き「米ドル安・円高」と見ている。

■失業率が2ケタとなるかに注目が集まった米雇用統計

 足元の米ドル/円を見ると、92円台から下落に転じ、90円割れとなっている。だが、これは本来のトレンドに戻っただけだ。

そのきっかけは、米国のノンバンク大手・CITグループの経営破綻と言えるだろう「従来の常識が通じない現在の為替相場、米ノンバンク大手・CIT破綻の影響は?」参照)

 11月2日(月)の早朝に、CITの経営破綻を材料にして、米ドル円は89円台前半まで急落したが、長続きせず、その後は91円台までリバウンドしている。11月6日(金)の米国雇用統計の発表を控え、様子見ムードが漂っていたためであろう。

 つまり、この時点での米ドル/円は、米国雇用統計の結果待ちと言える状態で、結果次第で、どちらかに大きく動きそうな雰囲気もあった。

 ただ、結果発表前の段階では、米国雇用統計が改善されるという予測は、ほとんど出ていなかった。むしろ、失業率が、市場予想は9.9%とされていたものの、10%の大台に乗せるか、否かに注目が集まっていた

■雇用統計の結果は「米ドル売り」の材料にしかならない!

 11月6日(金)発表の米国雇用統計について、非農業部門雇用者数(NFP)の事前予想は、マイナス17万5000人程度とされた。前回がマイナス26万3000人だったため、前回ほど悪くないだろうといった予想が、市場のコンセンサスとなっていたようだ。

 米国雇用統計の結果が発表となる前、筆者は、次のように考えていた。

●仮に、結果が悪ければ、素直に「米ドル売り」となるだろう。

●仮に、結果が事前予想ほど悪くないとしても、それを材料に、現在の「米ドル安・円高トレンド」を変えられるだけの力はないだろう。

 そして、実際に発表された米国雇用統計の結果は、以下のとおりだった。

●10月の失業率…結果:10.2%、予想:9.9%、前回:9.8%

●10月の非農業部門雇用者数(NFP)…結果:マイナス19万人、予想:マイナス17.5万人、前回:マイナス21.9万人(マイナス26.3万人から上方修正)

 今回発表された米国雇用統計の結果は、米国の雇用状況の悪化を明白に示すものであり、それ以外の何ものでもない

 結論を言えば、「米ドル売り」の材料以外には、他に使いようがないと考えている。

■「米国経済は回復するのでは?」はウケ狙いで、ウソ!

 雇用統計は、米国の数ある経済指標の中で、最も重要な指標だ。

 もちろん、その数値は過去のデータの積み上げで、かつ、景気を判断する材料としては「遅行性」がある

 しかし、悪化の一途を示している以上、その「遅行性」を取り上げるならば、今後も悪化し続ける、つまり、今回の数値が最悪ではない可能性のほうが高いと考えるのが、整合性のある考え方だろう

 悪化傾向が鮮明になっているのに、何をもって、「今回の失業率が最悪で、今後は改善する」と考えることができるのだろうか?

失業率が悪化傾向にあるなら、米国経済が回復基調にあるとは言えない。現在の米国は、リセッション(景気後退)の状況にある

 米国経済の回復の兆しを無理やり探し出して、「今後は回復するのではないか?」とコメントする人がいるが、それは、多方面からの「ウケ」を狙ったリップサービス、すなわち、「ウソ」だ。

米国経済が回復基調に移行すれば、当然のことながら、米国の雇用統計に改善傾向が出てくるはずだ

■週足で見ると、大きな流れは「米ドル安・円高」トレンド

 ここで、米ドル/円の週足チャートをご覧いただきたい。
米ドル/円 週足(クリックで拡大)

 週足チャートを見ると、2007年高値の124円台から、現在に至るまで、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインに従って、一定のスピードで、米ドル/円が下落していることがわかる。

 さらに、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインの平行線を、緑の破線(細線)で加筆した。

 すると、2007年高値の124円台から、現在に至るまで、レジスタンスラインの傾きのスピードで、米ドル/円が下落していると言えるだろう。

週足チャートで見ると、大きな流れは「米ドル安・円高」のトレンドを示している。
 
松田哲の「FX一刀両断!」
松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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