■ドル/円は大きく動いたとしても、たいていは2ヵ月で10~12円程度
先月から今月にかけての為替の動きは急で、ドル/円も109円台から先週は一時97円台まで急落しました。この間のドル下落幅は10円を大きく越えました。
ところで、ドル/円というのは、そもそも2ヵ月でどのぐらい上がったり、下がったりするものなのでしょうか?
2000年以降で調べたところ、最大で13円未満でした。それはまさに今年3月に95円台までドルが急落した局面のものです。この時は2月の108円台から3月の95円台へ、ドルの2ヵ月間における最大下落幅は12.8円にも達しました。
これも含めて、2ヵ月のドル/円値幅が10円を超えたのは、2000年以降で実は今回が10回目となります。これからわかることは、ドル/円というのは、よほどのことがない限り、大きく動いても2ヵ月では10~12円がせいぜいということです。
その意味では、先月の109円台から始まった今回のドル安は、今月96円は割れないし、割れたならそれは「よほどのこと」が起こっているということになるでしょう。
■2ヵ月大相場反動の法則とは?
ところで、一方向に2ヵ月で10円以上も動いた相場が一息つくと、その後は翌月にかけて反動が入るわけですが、当面の天底をつけた後と、そうでない場合は、反動の入り方に違いが出てくるようです。簡単な言い方をすると、当面の天底をつけた場合の反動は大きくなるし、そうでない場合は限定的にとどまるということです。
具体例を見てみましょう。今年3月に95円台まで急落したドルは、翌4月にかけて105円手前まで急反発しました。最大反発率は9%超にも達したのですが、結果的に見るとあの3月95円台は、今に至るまでのドル底値となっています。
下表は、2000年以降で、2ヵ月のドル/円値幅が10円以上となったケースについて、翌月への反動率も合わせて調べたものです。これを見ると、当面の天底を打った後は反動率も大きくなり、そうでない場合の反動は限定的にとどまり、その境目は大雑把に5%程度だということがわかります。

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