そして、そのような「修正」、「解消」の動きは、一段落したようです。
ここからさらに円売り・米ドル買いが続くなら、それは、新たに円売り・米ドル買いのリスクを取っていくことになります。
果たして、そのような展開はあるのでしょうか?
■足元の米ドル反発は、これまでのリスク圧縮の結果?
12月になって進んできた円安・米ドル高は、それまでの円買い・米ドル売りで取ってきた「リスク」を、圧縮する動きだったと私は考えています。
それは、新たに円売り・米ドル買いの「リスク」を取っていくということとは、まったく意味合いが異なります。
冒頭に申し上げたように、私は、新たに「リスク」を取りに行く円売り・米ドル買いの動きが、来年に入って起こってくると考えています。しかし、今回の動きは、まだ「それ」ではないと考えています。
それでは、「それ」は何かというと、米国の利上げを期待した米ドル買い・円売りだと思っています。
■来年3~6月の米国利上げは早すぎる
これまでの米国の利上げと米ドルの関係を見ると、利上げ前に米ドル高となり、実際に利上げが始まると、米ドル安になっています。
これは、ちょっと立ち止まって考えてみると「不思議」なことだと思うかもしれませんが、実際、米国が政策金利を上げると、米ドルはそれを尻目に下落に向かっているのです。
過去のパターンをみると、米国の利上げ開始の3~6カ月前から米ドルの上昇が始まり、基本的に、10~15%は上昇するようです。

それでは、今回の米ドル高・円安は、米国の利上げを先取りした動きなのでしょうか?
もし、そうだとしたら、来年3~6月頃の利上げ開始を先取りする形で、84円台から92~96円への円安・米ドル高が始まっているということになります。
しかし、来年3~6月頃からの利上げ開始は、ちょっと早すぎると私は思います。
そうであれば、足元で見られる米ドル高は、米国の利上げを先取りした動きではないということになります。つまり、これまで書いてきたように、ポジション調整の動きに過ぎません。
それはそうとして、米国の利上げの時期をどう考えるかが、2010年の為替予想の重要なカギを握っていると思っています。それは、いずれ、2010年の為替予想の中で、詳細に述べてみたいと思います。
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