■ガイトナー財務長官の発表にマーケットは失望した
もちろん、米国株式の大幅な下落がきっかけになって、ドル/円、そして、ユーロ/円などのクロス円が下落しているのですが、なぜ、米国株式が大きく下落したのかを考えると、ガイトナー財務長官の発表したオバマ新政権の政策に、マーケット(広く金融市場の参加者)が失望したからでしょう。

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政策としては、目新しいものでもなく、つまり、サプライズのない予想される範囲内のもの、あるいは予想以下のもので、事前に期待したほどではなかった、ということです。
正直なところ、『オバマ新政権に対して、期待感が強すぎるのではないか?』と感じます。
大きな流れを、突如として変えることは、誰にもできません。
そんなことを期待する方が、どうかしているのです。
それは、あり得ないことを夢想しているに過ぎません。
今現在の、不況を、瞬時に好況に変えることなど、絶対に、誰にも、できません。オバマ大統領のカリスマ性に対して、それを期待する人がいるのでしょうが、物理的にできないことは、できないのです。
■G7も世の中を急にばら色に変えることはできない
人は、飛行機などの道具がなければ、鳥のように空を飛ぶことは不可能です。経済活動は、連鎖であり、世界同時不況に陥っている今、それを瞬時に直すことは不可能です。
だから、この週末に開催されるG7でも、世の中を、急に、ばら色に変えるような、素晴らしい『合意』は、発表されないでしょう。そう考えています。
しかし、私は、ことさらに、不況をあおるつもりはありません。悲観的でもありません。経済循環の波で、不況と好況は交互に繰り返すからです。
今できることは、地道に、それぞれが(各自が自分で)やれることをまじめにやるということだ、と考えています。
ただ、それでも、世の中の流れは徐々にしか変わらない、と考えます。現実を直視しなければ、良くすることも不可能です。
改善するには、「どこが、どのように悪いのか」を冷徹に見つめる必要があります。そのために、悪い点を指摘することは意義があります。
米国自身の不況はそれとして、世界経済が、突然の大不況になったのは、米国が輸入をしないこと(事実上、輸入ができなくなったこと)が原因です。輸入できないのは、米国が不況だからです。その不況の原因は、サブプライム・ローン問題が惹起した巨額の損失です。
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