自民党から民主党へ、日本で政権交代がついに起こりました。そして、通貨政策の責任者である財務大臣には、藤井裕久氏が就任しました。
その藤井氏ですが、かつても、財務大臣を経験しています。実は、彼こそが1ドル=100円を超える円高、つまり「超円高」に最初に遭遇した財務大臣だったのです。
藤井氏は、自民党が与党から転落し、下野したことを受けて誕生した細川非自民連立政権から、次の羽田政権まで財務大臣(当時の呼び名は大蔵大臣)を務めました。

それは1993年8月から1994年6月までで、その期間こそが、初めて1ドル=100円を超える「超円高」に迫った局面だったのです。
■在任期間中、1年未満で2兆円の為替介入を実施した
財務省が公表している統計によると、この間の為替介入額は合計2兆円に達していました。ただ、これは特別に多い金額ではありません。
財務省資料などを元にして、私は下記の表のように、為替介入のランキングを作成してみました。
そうすると、過去には、たった1日で2兆円の為替介入を行ったケースもあったのです。ですから、1年未満で2兆円というのは、決して多すぎるものではないでしょう。

前述のように、藤井大蔵大臣による2兆円の為替介入は、初めて100円割れに迫る円高・米ドル安局面で実施されたものでした。
そして、藤井大臣の功績かどうかはともかくとして、当時の日本は100円割れの「超円高」回避にいったん成功したのです。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)