なお同調査は、前回までの「投資動向等に関するアンケート調査」から、名称が改められている。
調査は、8月24日(火)13時~31日(火)13時に行われ、外為どっとコムの取引画面内にアンケートを公開し、「外貨ネクスト」、「FXステージ」のいずれか、もしくは両方に口座を持つ顧客に対して行った。有効回答数は3555件。
■「米ドル/円予想DI」は急激に円高方向にシフト
まず、今後1カ月間の米ドル/円の相場見通しについては、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が26.0%であったのに対し、「円高・米ドル安方向」と答えた割合は48.5%となった。
この結果、「米ドル/円予想DI」はマイナス22.5%となり、前回のプラス14.0%から急激に円高方向にシフトした。
調査期間中の米ドル/円相場は、米国の景気減速懸念を背景に、一時83円58銭と15年ぶりの安値を記録。一段の円高リスクが意識されたもようだ。

今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レートについては、「1~3円程度の米ドル安・円高」が31.8%と最も多く、「1~3円程度の米ドル高・円安」が26.1%、「±1円」と答えた割合が19.7%、「3円以上の米ドル高・円安」が11.7%、「3円以上の円高・米ドル安」が10.8%の順番になった。
前回調査で円安側に傾いていたヒストグラムの形状は、今回はやや円高側に傾いており、先の質問「今後1カ月間の米ドル/円の相場見通しについて」同様に、急速に円高見通しが強まっている様子がうかがえる。
■「ユーロ/円予想DI」も急激に円高方向に転換
一方、今後1カ月間のユーロ/円の相場見通しについては、「ユーロ安・円高方向」と答えた割合が48.7%であったのに対し、「円安・ユーロ高方向」と答えた割合が25.2%となった。
この結果、「ユーロ/円予想DI」はマイナス23.5%となり、前回調査のプラス12.6%から急激に円高方向に転換した。
今回の調査期間の序盤には105円42銭という9年ぶり安値を記録しており、先の米ドル/円同様に、一段の円高を見込む向きが急速に増えた。
前回調査において、ユーロ危機の後退を受けて8カ月ぶりにユーロ強気に転じた投資家心理は、わずか1カ月でユーロ弱気に転じた格好になった。

続いて、今後1カ月間の豪ドル/円の相場見通しについては、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が34.5%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合が35.6%となった。
この結果、「豪ドル/円予想DI」はマイナス1.1%となり、小幅とはいえ、2009年6月の調査開始以来初めて、豪ドル弱気派が豪ドル強気派を上回った。
調査期間中の豪ドル/円相場はおおむね74~77円のレンジ内で推移しており、明確な方向感は出ていなかった。
こうした中で、これまでFX投資家層に根強い人気を誇った豪ドルに対する見方がやや弱気に傾きつつある点は、非常に興味深い変化だと外為どっとコム総研ではコメントしている。
豪ドルに対する弱気な見方が今後も続くのかどうか、注目が集まる。
■買いたい通貨ペアの1位は豪ドル/円に
なお、外為どっとコム総合研究所では、今後注目している通貨ペアについてもたずねている。
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