現在のユーロ/円は「大きな下落トレンド」の中にあり、このところはその調整局面、すなわち、ポジション調整による反発上昇の局面を迎えていた。
だが、8月中旬に急落しており、これによって改めて、本来の「下落トレンド」に戻ったと考えている。
■ユーロ/円は2008年の大暴落で「下落トレンド」に転換
まずは、ユーロ/円の月足チャートからご覧いただきたい。
この月足チャートを見ると、ユーロ/円が2000年を大底に、大きく上昇したことがよくわかる。その上昇は、緑の破線で示したサポートラインに沿ったものであり続けた。
しかし、2008年に緑の破線のサポートラインを下に割り込み、大きく下落している。この大暴落(クラッシュ)で、ユーロ/円はそれまでの「上昇トレンド」から、「下落トレンド」に転換したのだろう。
そして、大暴落(クラッシュ)の後の2008年後半から2010年4月までは、「下落トレンド」に転換した後の「安値保ち合い」であったと考えている。つまり、安値圏での「ボックス相場」であって、上限は140円程度、下限は112円程度で推移した。
その後、2009年後半に発覚したギリシャの財政問題をきっかけに、ユーロ/米ドルが下落を始め、その影響から、ユーロ/円も下落傾向が鮮明になった。
2008年の大暴落(クラッシュ)の際の安値水準で、当面の下値メドだった112.00円を割り込んだ時点でも「売りシグナル」を発している。
■「フラッグ」形成の場合のターゲットは82円!
このところの相場で、ユーロ/米ドルが1.18ドル台から1.33ドル台までリバウンドしたことから、ユーロ/円も連れてリバウンド気味に動いていた。
ただ、リバウンドの最中に、本来の「下落トレンド」に戻った場合、再び急落する可能性があることに留意するべきだと、このコラムで何度も繰り返し述べてきた(「ユーロ/円は一時的に反発しているだけ。値ごろ感でのユーロ買いは疑問だ!」を参照)。
ユーロ/米ドルが本来の「下落トレンド」に転じたために、ユーロ/円も本来の「下落トレンド」に戻ったのだと考えている。
再びユーロ/円の月足チャートをご覧いただきたいが、これを見ると、「フラッグ」を形成しているようにも映る。
ユーロ/円が「フラッグ」を形成する場合のターゲットは82円で、詳しくは図に示したのでご確認いただきたい。
■「ヘッド&ショルダー」のセオリーどおりに急落した
続いては、ユーロ/円の週足チャートをご覧いただきたい。
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