■年初の株価上昇、新興国通貨上昇は一時的なもの
年初から、アメリカを中心に各国の株式市場が上昇していましたが、これには、オバマ政権誕生への期待感と年初ということでのご祝儀的な新規マネーが流れ込んでいることが要因と言われていました。
為替市場でもアメリカへの期待感からドルが買い戻されたり、株価上昇によって、オセアニア、新興国通貨などに対して、円安が進む局面もありました。
日本の証券会社による新規の売り出し債を日本の投資家がかなり購入したことも円安要因の1つでした。しかし、それも長くは続かず、先週の後半からは株も崩れ、為替市場も元の木阿弥状態になっています。
状況が依然として不透明であることに加え、やはり投資家の傷があまりに深く、リスクマネーがかなり縮小しているからなのでしょう。
やはり、1月効果は非常に一時的なものに終わってしまいました。
■英国、欧州、豪州はまだ利下げの途中か
さらに、各国の利下げもまだ道半ばにあるようです。先週、イングランド銀行(BOE)は政策金利を0.5%引き下げ、1.50%としました。これはイングランド銀行が1694年に創設されて以来、最低の水準です。
また、今週15日には欧州中央銀行(ECB)の理事会が行われますが、ここでも0.5%の利下げが予想されています。昨年の後半にはECBはこれ以上、利下げを実施しないのではないかという観測が流れて、ユーロが急騰した局面がありましたが、それも短命に終わりました。
豪準備銀行(RBA)もしばらくはここまでの利下げの効果を確認したいという趣旨の見解を発表していますが、それでも金利先安感は残ります。結局、まだ出口がよく見えない状態では、新規マネーが大きく動き出すことはないということがはっきりしてきたようです。
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