負けが込むと、誰でも熱くなる。今、そういった市場参加者が多い。しかし、熱くなっている人に付和雷同して、自分が熱くなってはいけない。相場は、冷静でないと、うまくいかない。
■常にトレードするのがよいわけではない。「休むも相場」
トレンドに変化はない。
つまり、ドル/円は「ドル安円高」、ユーロ/ドルは「ユーロ安ドル高」、ユーロ/円は「ユーロ安円高」。

しかし、今週は調整局面だから、トレンドと逆方向に動いている。こういった値動きを、「綾(あや)」「綾戻し(あやもどし)」という。
まず第一に、「綾」の局面でまで、利益を出す必要がない、と考える(綾を取らない方がよい、と考えている)。
しかし、こういった局面でも、どうしても利益を出したい、と考えるならば、トレンドと逆のポジションを取ることだ。
ただし、「綾の大きさ(どこまで戻すのか?)」と「綾の時間(いつまで綾が続くのか?)」は、両方とも、事前には、誰にもわからない。
だから、繰り返すが、綾を取らない方がよい、と考えている。こういった時に使うことわざが、「休むも相場」だ。
自信のある人が、トレンドに逆らったポジションを持って利益を狙うことは、いっこうに構わないし、止めない。その場合は、失敗したら、必ず、いさぎよく、「損切り」をすることだ。
トレンドに従ったポジションは、万一失敗しても、損切りを必ずしなければいけないわけではない。しかし、トレンドに逆らった、ポジションは、必ず、損切りを行う必要がある。
昨年から今年の外国為替相場をよく見れば、私が何を言いたいのか、理解していただける、と考えている。
■金利差を狙う取引をやるとしてもトレンドに逆らうと危険
つまり、トレンドが、円安であれば、金利差を狙って「円キャリートレード」をしてもよい。多少、失敗しても、損切りを必ずしなければいけないわけではない。
しかし、トレンドが円高の時に、「円キャリートレード」を行うならば、必ず、損切りも行う必要がある。
過去、2年以上にさかのぼって、「円キャリートレード」を行った投資家は、現在まで、ポジションを保持すると、全員が負けている。
途中で、利食いを行って、利益になった投資家はいるだろう。しかし、利食いを行わなければ、必ず、損失になっている。
つまり、金利差を狙った外国為替取引は、円安傾向の時には利益になるが、円高傾向の時は損失になる、ということだ。
繰り返すが、今週は、修正局面だったが、いつ、何時に、これが本格的な、元のトレンドに戻るのかは、誰にもわからない。
だから、しばし、休憩でよいと考えるが、真面目にマーケットを観察し、トレンドが元に戻った時には、きちんとそれに対応できるようにしておくことが大切だ。
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