「まだ、下がる」と思う時は、「もう、下がらない」。
まだ、下がるだろうと考えて売ると、もう、下がらなくて反発上昇する。
逆に、「もう、下がり切った」と判断する時は「まだ、下がある」。
「もう、大底だろう」と考えて買うと、まだ、下げが終わっていなくて、もっと下落する。
本当に、相場は難しい。
■ユーロ/円が下落したら、すべてのクロス円が下落するのが原則
現在のマーケット(外国為替市場)で、もっとも大きく変動しているのは、クロス円(米ドル以外の通貨と円の通貨ペア)だと考えている。
クロス円の代表として、ユーロ/円(EUR/JPY)を考える。
ユーロ/円(EUR/JPY)は、すべてのクロス円取引の代表であり、基本的には、クロス円はユーロ/円(EUR/JPY)の値動きに従う。
つまり、ユーロ/円(EUR/JPY)が下落したならば、すべてのクロス円が下落する。
逆に、ユーロ/円(EUR/JPY)が上昇すれば、すべてのクロス円が上昇する。
このことは、基本的原則で、滅多に例外がない。しかし、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)が、大きく変動している場合などに、稀なる例外のケースがある。
9月上旬時点の現在のマーケットでは、基本的な原則どおりに動いている。
今回の値動きでは、ユーロ/円(EUR/JPY)も下落しているが、ポンド/円(GBP/JPY)や、豪ドル/円(AUD/JPY)の下落が、先行している部分もある。
このところの値動きでは、こういったクロス円のそれぞれの値動きが、相互に影響を与えあって、クロス円の下落を加速させたことに、留意する必要がある。
そして、クロス円の値動きは、ドル・ストレート取引(ドル/円取引やユーロ/ドル取引のような対ドル取引)と比べて、トレンドが強く、長く継続する傾向がある。
■150~170円ぐらいで大きなボックス相場を形成していたユーロ/円
以下は、このところのコメントの繰り返しの部分もある。
繰り返しではあるが、それは、このところのコメントが正しかったことの検証であり、考え方に変化がないことの表現でもあります。
ユーロ/円(EUR/JPY)は、2006年11月頃から、現在に至る長期にわたり、おおよそ150円から170円程度の「大きなボックス相場」を形成していた。
この「大きなボックス相場」は、日足チャートでは読み取り難いが、週足チャートを見れば、読み取ることができる。


20円幅のボックス相場では、スケールが大きすぎる、といった意見や感覚があることは、十分に理解する。しかし、現実に、チャートを見れば、そういった傾向が読み取れる。
読み取れるものを、自分の都合で(大きすぎる、といった感覚で)、無視するのは、単に『自分の都合の悪いものは見ない』といった、ポジション・トークの典型。
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