まずは、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。ちなみに、この日足チャートは、足の数が180本となっている。
米ドル/円は、2009年2~3月から現在に至るまで、大きく上下動を繰り返している。その振幅は大きく、その都度の動きも比較的激しい。下落する場合のスピードが速いのはもとより、反発上昇の際のスピードも、かなり速い。
しかし、上下動を繰り返しながら、上値は徐々に切り下げられてきている。
米ドル/円は、基本的に「下落トレンド(米ドル安/円高トレンド)」だと考えている。
それは上に示した日足チャートから鮮明に見て取れるが、それだけではなく、週足チャート、月足チャートといった長い期間のものも確認した、大きな流れからの判断だ。
■トレンドに従いさえすれば、今の相場は利益を得やすい
米ドル/円は週足チャート、月足チャートで確認できる長期トレンドも、日足チャートで見る短期トレンドも、「下落トレンド」となっている。
長期トレンドと短期トレンドの方向が一致する場面は、相場に臨みやすく、利益を得やすい状況である。
語弊を恐れずに言えば、今の相場は簡単に儲けやすいということだ。
ただし、トレンドに従うべきであることは、言うまでもない。
下落しているのだから、「売り」で戦えば、簡単に儲けやすいということであって、長期トレンドと短期トレンドが「下落」を示している状況下で「買い」で戦えば、当然、損をしてしまうことになる。
■90円割れで、次は87円割れに向かう!
ここで改めて、上の米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
米ドル/円は、4月上旬に101円台の戻り高値をつけてから、徐々に上値を切り下げて、緩やかに下落している。チャートの緑の破線(太線)は、4月につけた101円台の戻り高値と、8月の戻り高値である97円台後半を結んだものだ。つまり、「レジスタンスライン」。
そして、このレジスタンスラインと平行に、「パラレルライン」を引いた。3月につけた安値の93円台ミドルに合わせて引いたもので、チャートでは、緑の破線(細線)で表示した。
米ドル/円が徐々に上値を切り下げている様子は、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインで見て取れる。その傾きが、4月上旬から現在に至るまでの下落のスピードなのだ。
筆者は当初から、緑の破線(細線)で示したパラレルラインを下値メドとすると、節目の90.00円を割り込んで、2009年1月につけた年初来安値の87.00円近辺に近い水準まで、もう一段急落する可能性があると考えていた(「『三角保ち合い』を下抜けた米ドル/円、まずは91.80円、次は87.00円を目指すか?」参照)。
今のところ、そのとおりに動いている。
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