続いては、米ドル/円の週足チャートをご覧いただきたい。
これは300本足(300週分)のチャートだ。
引き続き、米ドル/円のトレンドは「米ドル安・円高」で変わらないと判断している。
週足チャートで、緑の破線は現在のレジスタンスラインであり、緑の破線(細線)はその平行線だ。
米ドル/円は、この緑の破線で示したレジスタンスラインの傾きに沿って、一定のスピードで下落を続けていると断定できる。その起点は、週足チャートを見ると、2007年6月につけた124円台であることが読み取れる。
米ドル/円は、この2007年6月高値の124円台から、3年半にわたって、レジスタンスラインの傾きに沿って、一定のスピードで下落を続けている。
足元では目先の反発上昇をしているが、今のところ、トレンド転換を示唆するシグナルは出ていない。
トレンド転換するには緑の破線のレジスタンスラインを上抜ける必要があるものの、上抜けておらず、現時点で「米ドル安・円高トレンド」が現在も持続していると断言できる。
ここで気をつけなければならないのは、この緑の破線で示したレジスタンスラインを上抜ける場合には、それまでに大きく相場が動いているということだ。
つまり、トレンド転換が起こる場合は、結果として、事後的に、時間が経過してからわかるものであり、それを踏まえて相場に向き合う必要があることを理解してほしい。
以上を踏まえて、大局で、トレンドで戦うならば、ここでの米ドル/円の「買い」はセオリーに反すると、引き続き考えている。取引するならば、どこかで「米ドル売り・円買い」のポジションを取るべきだ。
しかし、80円台から84円台まで反発上昇があったものの、歴史的安値である79.75円にあとわずかといった水準であることに変わりはなく、85円より下で「売り持ち」とするのは精神的に苦しいだろう。
この水準を売るのは勇気がいる。
しかし、それでも持つならば、ポジションを小さくして、負けてもよいくらいの覚悟で「米ドル売り・円買い」とすべきだ。
■今後、時間の経過に伴って、79.75円の新値を更新する
最後に、米ドル/円の月足チャートをご覧いただきたい。
これは300本足(300カ月分)のチャートだ。
10月下旬から11月初旬にかけて、米ドル/円は何度も80円台を見ている。11月初旬につけた米ドル/円の安値は80円台前半(80.20-30円)だ。
米ドル/円の歴史的な最安値は1995年につけた79.75円で、あと50銭程度に迫ったことになる。
引き続き、いずれは80.00円を割り込むことになると考えているが、80.00円は心理的な抵抗になっており、割り込むには少し時間がかかるのかもしれない。
80.00円は歴史的にも、心理的にも大きな節目であり、簡単に突き抜けることは難しいだろう。
しかし、俯瞰(ふかん)するならば、米ドル/円が近日中に80.00円を割り込んでもまったく不思議ではない。
目先では反発しているために、本日、あるいは今週中に70円台を見ることはないのだろうが、いつ何時、70円台があっても不思議ではない状況が続いている。
なお、この月足チャートで見るかぎりは、すでに、80.00円(79.75円)のターゲットを達成したと判断している。
みなさんの中に、「80.00円にまだ届いていないではないか?」とか、「79.75円の新値を更新していないではないか?」といった意見は、当然あることと思う。
しかし、相場を客観的に見るならば、80円台前半をすでにつけているのだから、80.00円(79.75円)まで1円もなく、1円程度は誤差の内だ。その誤差も50銭程度に過ぎず、十分に、ターゲットを達成したと判断してよいだろう。
ただ、すでにターゲットは達成されたが、大きな流れでは、まだ「米ドル安・円高トレンド」が持続している。
反転の兆しはなく、トレンド転換のシグナルもないため、今後、時間の経過に伴って、79.75円の新値を更新すると考えている。
(2010年12月1日 東京時間5:00記述)
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