米ドル/円について、基本的な考え方に変化はない(「米ドル/円は84円台まで反発しても、なぜトレンド転換したとは言えないのか?」を参照)。
ただ、来週にクリスマスを控えている。クリスマス・イブまで、あと10日を切った。
マーケットは「クリスマス相場」の真っ最中だ。
すでに海外勢はクリスマス休暇を取っている時期であり、いつもならばいるはずの人達が、今はマーケットにいない。
だから、最近のマーケットの値動きは不自然になっており、動き出すと一方向に、いつもよりも時間・値幅ともに長く動くことがよくある。
通常ならば、どちらに動くにしてもそれなりの抵抗があるのだが、いつもならばいるはずの市場参加者がいないので、突き抜けてしまうのだ。
そして、動かないときはビクとも動かない。
「クリスマス相場」ではない通常のマーケットならば、誰かしらが、何らかの思惑で売ったり、買ったりしているのだが、市場参加者が少ないので、そういったこともなくなっているということだ。
これから正月明けまで、為替相場の値動きはさらにランダムになりやすく、かつ、場合によっては値が飛びやすくなる。
それを理解した上で、相場に臨む必要がある。
ランダムになりやすく、値が飛びやすくなるということは、理不尽な、理屈の通らない相場つきになりやすいということだ。
できるものならば、「クリスマス相場」はポジションを持たずに過ごし、来年の相場に備えるのがいちばん賢明だと考えている。
それでも、現状分析は必要だと考えているので、米ドル/円について考察する。ただし、基本的には、このところのコメントと同じだ。
■86.00円レベルが強いレジスタンスになっている
それでは、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
これは180本足(180営業日分)のチャートだ。
緑の破線がレジスタンスラインであり、緑の破線(細線)はその平行線だ。
なお、この緑の破線のレジスタンスラインは、11月中旬に上にブレイクされている。
このチャートから読み取れることは、今年4月頃から11月に至るまで、米ドル/円が緑の破線のレジスタンスラインの傾きで、一定のスピードで下落してきたということだ。
つまり、6カ月以上にわたり、7カ月もの間、レジスタンスラインに従って、一定のスピードで下落した。
チャートにあるように、緑の破線のレジスタンスラインを上抜けた時点で、目先の「買いシグナル」が点灯したと考えている。
また、米ドル/円の日足チャートを見ると、9月15日の大陽線(大上昇を示すローソク足)が目立つ。これは、日本政府・日銀の「円売り・米ドル買い介入」による特殊な値動きだ。
9月15日の介入直前の安値は82円台後半(82.86円レベル)で、介入が実施された後の高値は85.94円だった。
現在のチャートから読み取れるのは、介入後の高値である86.00円レベルが強いレジスタンスレベル(強い抵抗水準)になっているということだ。
ちなみに、今のところは、84円台では上値が重い雰囲気で、強いレジスタンスレベルである85.94円ははるかに遠い印象だが…
個人的には、大局では「米ドル安・円高トレンド」に変化がないと考えている。
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