米ドル/円は当局の為替介入があっても、米ドルの売りが踏み上げられたあとでないと効かないため、一時的にせよ155円台に乗せる可能性がある。歴史的にみれば今回の円安局面も最終段階だが、クライマックスの段階では、引き続き円の急落を警戒せざるをえない。

現在の為替市場は拮抗と均衡を保った、「絶妙」な水準にあるかもしれない。介入のレベルでいろいろな憶測があるが、介入への願望自体が問題だ。ただし、介入なしで米ドル/円が自然に頭打ちを果し、これから反落、やがて米ドル高・円安の流れを修正していくかといえば、その可能性は低いとみる。

日銀金融政策決定会合を通過し、米ドル/円は一時、151.88円まで上昇。2022年、2023年の高値を突破していく勢いがあったが、今回の日銀会合はかなり「異常」で、円急落の解釈はやや強引だと感じる。米ドル/円が高値を追うとのスタンスには距離を置きたい。

日銀会合だけでなく、米ドルサイドの事情も重視したい。米ドル全体はあくまでも「底割れを回避」しただけで、強気の変動に復帰したという状況にはほど遠い。米ドル/円は上値が重く、年内のターゲットを上方修正しなくてもよいだろう。

円は買われている。しかし、「円高」という言葉を積極的に使う気にはなれない。円が買われているのは、「偽りのドル高」が証明された米ドルの反落と売られすぎた円の反発がおもな理由か。米ドル/円は146.20円を試してもおかしくないが、積極的に円が買われる段階ではないとみる

歴史的な株高にもかかわらず、米ドル/円は去年の高値を超えられずにいる。リスクオンの円売り自体も、限界に差し掛かっているではないかと推測される。ただし、なかなか円買いの理由も見つからず、調整があった場合米ドル/円の戻りが限定的な一方、クロス円は再度の高値更新があると予想する。

英ポンド/円は高値を再更新する可能性が高く、ユーロ/円と豪ドル/円の高値更新もこれからだ。すでにでも、主要なクロス円で買いのポジションを建てたい。円の急反騰がない限り、調整があっても押し目買いの好機となるだろう。米ドル/円は上値余地には懐疑的だが、目先は急落も想定しにくい。

米ドル/円の上昇の一因となった内田日銀副総裁の発言は、日銀のマイナス金利解消が近いことを示唆しているのではないか。米ドル/円は想定していたレンジ上限の150円を試す可能性が高いが、それ以上の上値追いは避けたい。

米ドル/円は、すでに今年の高値をつけた可能性が高い。日米の金利差は縮小傾向にあり、米ドル/円は「過大評価」されているようにみえる。52週移動平均線を試す蓋然性は高く、抜ければ140円割れも想定できるだろう。米長期金利の上昇も終焉しており、米ドルを積極的に買う理由も見当たらない。

米ドルは短期スパンではまだら模様でも、中長期スパンでは米ドル安が鮮明化しつつある。ドルインデックスは早晩、昨年の安値を割り込んでいくだろう。また、日銀がマイナス金利を解消したら日本国債が暴落し、金利が急騰、相場が大きく崩れるといった言論には、惑わされないほうが賢明だ。

主要なクロス円の上昇や、高値の再更新が既定路線のように見える。いち早く高値更新を果たすのは英ポンド/円だろうが、他のクロス円の上値志向の強さも不変だ。出遅れた人も焦ることはない、今からでも追撃は可能だろう。レベルで判断せず、「理屈なし」の高値追いを実践したい。

米ドルは昨年の10月や11月の高値から大きく反落してきたが、まだ途中で、これからも米ドル安の基調を強めていくと予想する。この見方が正しければ、米ドル/円は戻り売り、クロス円は押し目買いが有効だろう。米ドルが全体的に下落しても、日本円が最弱通貨として、ほかの外貨よりも買われることはないと考えるからだ。

米ドル/円が145円に迫るなど、円は主要通貨の中で最弱となっているが、日銀の政策修正という期待が剥落するなか、米ドルの急落が一服したという認識だ。ただし、米ドル/円のメイントレンドである米ドル安は、いずれ再開するだろう。円は米ドル安の一環として、間接的に上昇していくというのが今年の基調である点は、再度確認しておきたい。

2024年は、米ドル安の基調が一段と鮮明になるだろう。為替市場におけるサイクルを考えれば、米ドルの下落が続くのは必然だ。米ドル/円も続落していくことは間違いないが、市場が想定しているほど日米の金利差は縮小しない可能性が大きい。下値は135円程度、想定を超えても132円程度にとどまるだろう。

FOMCを通過し、米ドル全面安の様相を呈している。米ドル売りの障害が取り払われたので、米ドル安のスピードはさらに加速していくだろう。しばらく円がらみの通貨ペアの取引は避け、ドルストレートでの米ドル売りに専念するのが効率的だ。

円の急騰は、尋常ではない行きすぎた円安が原因だ。米ドル/円は、一転して146円～147円台がメインのレジスタンスゾーンと化し、戻りがあっても上放れは容易ではないだろう。一方、主要なクロス円の多くはクリスマスバーゲン状態と言っても過言ではなく、押し目を拾っていくスタンスを維持したい。

米ドル/円は再度の高値更新はおろか、150円台半ばの回復も難しくなってきた。本日から12月だが、過去50年の統計では、米ドルは12月に売られやすい。よって、中長期は別として、12月に限って言えばユーロ/円や英ポンド/円は、強気変動を維持できるだろう

一時は1米ドル＝155円～160円といったターゲットも実現しそうになった米ドル/円は、10月31日の安値どころか、10月3日の安値もいったん割り込み、大きな「ダマシ」のサインを形成した。米ドル/円の頭打ちは、すでに決定したとみなすだけでなく「鬼より怖い」市況の展開がこれから見られるだろう。

米ドル/円が152円以上になれば、為替介入が想定される。投機筋も為替介入の可能性を無視できないだろう。最弱通貨の円を売るトレードを考えたいが、為替介入の懸念がある米ドル/円で円売りを仕掛けるのは難しい。円売りを仕掛けるなら、クロス円だ。ユーロ/円や英ポンド/円に加え、豪ドル/円も年初来高値を更新したクロス円は、ここから一段と上値ターゲットが上方修正されるだろう。

ドルインデックスはすでに頭打ちを果たし、これから反落してくると思うが、まずは高値圏で保ち合いが続き、その後、徐々に反落してくる可能性が高い。しかし、米ドル/円は反落してくるとは限らず、介入のリスクもあって買うこともできない。したがって、ユーロ/円などのクロス円を買う方針だ。