FXニュース:2023年11月22日(水)00時50分
【NY為替オープニング】FRB来年の利下げ予想が弱まる、ミシガン大の期待インフレ率に注目
◎ポイント
・米・先週分新規失業保険申請件数:20.9万件(予想:22.7万件、前回:23.3万件←23.1万件)
・米・失業保険継続受給者数:184万人(予想:187.5万人、前回:186.2万人←186.5万人)
・米・10月耐久財受注速報値:前月比‐5.4%(予想:-3.2%、9月:+4.0%←+4.6%)
・米・10月耐久財受注(輸送用機器除く)速報値:前月比0%(予想:+0.1%、9月:+0.2%←+0.4%)
・米・10月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値:前月比0%(予想:+0.1%、9月:-0.1%)
・南ア・10月消費者物価指数(前年比予想:+5.6%、9月:+5.4%)
・米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:60.8、速報値:60.4)
・ユーロ圏・11月消費者信頼感指数速報値(予想:-17.8、10月:-17.9)
・ハント英財務相が秋季財政報告発表
・OPECプラス、週末の会合延期、原油反落
22日のニューヨーク外為市場では連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了観測や来年の利下げ観測に伴うドル売りが後退した。米先週分新規失業保険申請件数は予想以上に前回から減少。労働市場が依然ひっ迫している証拠となった。本日発表される米11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は上方修正が予想されている。また、FRBがインフレ期待指数として注視している同指数の期待インフレ率に注目されるが特に5-10年期待インフレ率は下方修正が予想されているものの、予想を上回ると追加利上げ観測が再燃する可能性がある。
FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)(10月31日-11月1日会合)で、インフレが予想通り鈍化していると同時に金融状況もひっ迫したため金融政策決定を注意深く進めていく方針を確認し、2会合連続で政策金利据え置きを決定。この会合後の会見でパウエル議長も金融状況のひっ迫により、利上げの必要性も薄れるとの意見に同意したため、前回会合はハト派的な内容と当初受け止められた。
21日に発表された議事録では、労働市場が「依然引き締まっている」との見解や数人のメンバーが消費の上向きサプライズを受けて、勢いが続く可能性を指摘したことが分かった。また、家計の財政状況が想定を上回っている可能性があり、消費を支えている可能性にも言及された。また、多くの高官は金融状況のひっ迫が続くかどうか不明と主張するなど、議事録内容は当初判断されたよりもハト派色が強くなかったとの印象。利上げ終了に近づいたことには変わりはなさそうだが、FRBは「インフレで2%目標達成するさらなる証拠が必要」で、もし、インフレの改善が不十分であれば追加引き締めが適切になると、警戒態勢を崩さなかった。市場の利下げ予想をサポートするような内容ではなく、利下げ観測が緩和しドル売りの勢いも弱まった。
欧州中央銀行(ECB)や英中銀も市場の利下げ観測に対し、インフレを過小評価していると否定的。
本日はまた石油輸出国機構(OPEC)プラスは週末に予定されていた会合を30日に延期すると発表。追加減産が予想され原油価格を押し上げてきたが、メンバー内の意見の相違との見方に原油価格が反落。カナダドルや商品関連通貨売りに繋がると見る。
・ドル・円は200日移動平均水準141円62銭
・ユーロ・ドルは、200日移動平均水準1.0808ドル。
・ドル・円148円70銭、ユーロ・ドル1.0906ドル、ユーロ・円162円23銭、ポンド・ドル1.2540ドル、ドル・スイス0.8830フランで寄り付いている。
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