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今┃週┃の┃目┃次┃
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□■1. メインテーマ1 ☆英国のEU離脱から1週間で見えてきたこと☆

□■2. メインテーマ2 ☆今年の株主総会で波乱があった会社 見えないはずの問題が見えてしまった会社☆

□■3. 今週の相場観コーナー

□■4. お勧め「書籍」コーナー

□■5. 質問コーナー


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★☆★ 英国のEU離脱から1週間で見えてきたこと ★☆★



 本誌はよく「相場は常に正しい」とか「答えは常に相場の中にある」と書きますが、これはもちろん相場とはイスラム教徒にとってのコーランや、一部の日本人にとっての憲法9条のような絶対的存在であるという意味ではありません。


 ただいろいろな評論や解説を聞くより、いろいろな相場の動きを眺めているほうが、はるかにいろいろなことがわかるような気がします。そして時には相場が「さらに極端な方向(相場は常に正しいので間違った方向とは言いません)」に向かっているとわかることもあります。


 そして今回の英国EU離脱のように「予想外で相場を大きく変動させたイベント」があると、「その時点の各相場の反応」と「その後の各相場の反動」という2回分の値動きが確認できるため、大変にいろいろなことがわかるような気がします。


 つまり今回の英国EU離脱がなければ絶対に見えなかったものが、「チラッ」とだけ見えたような気がします。そういう意味だけですがラッキーだったと考えます。


 じゃあ何が見えたのかを、これから解説します。「そんな風に考えるのか?」で結構ですので、読んでみてください。



■■ その1  英国のEU離脱が世界の政治に及ぼす影響 ■■


 前書きに「相場」が重要と書いたばかりですが、「相場」とは違う「政治」から始めます。


 英国では国民投票でEU離脱となりキャメロン首相が辞任を発表したため、まずその後任の保守党首=首相を決める必要があります。


 順序としては9月頃までに後任首相を選出し、その首相が議会にEUへの離脱通告を行うように諮り、議会がそれを承認して初めてEUに離脱通告を行えるようになり、そこで初めて各国との離脱後の通商を含む一切の交渉が始まり、それを通告後2年以内にすべて完了させなければなりません。


 ところで2009年に発効したEU協定(リスボン協定)では、離脱の要件が初めて規定されたのですが「加盟国はそれぞれの憲法に定められた方法により離脱を決定し」がスタートラインとなっています。


 ところが当然のように英国の憲法にはEU離脱についての規定などありません。英国に限らず、どの加盟国でも憲法のほうがはるかに古いからです。


 そこで英国議会がEU離脱を承認することが必要最低限と解釈されますが、議会は別に国民投票の結果に縛られているわけではありません。要するに今回の国民投票とは単に「英国民の過半数がEU離脱を希望している」との結果を議会に(つまり国民に)知らしめただけの話なのです。


 さすがに議会では過半数の議員は残留派なので(またEU離脱を問う解散・総選挙が行われることもなさそうなので)、後任首相が誰になっても議会がEU離脱を承認するとは思えません。つまり英国のEU離脱は、そのスタートラインにすら立てないはずで英国政治の混乱が続きます。ましてや有力後任候補のメイ内相は残留派であり、離脱に投票した英国民もかなり後悔しているようで、このままグズグズと時間だけが経過していくような気がします。
 

 しかし今回の英国の国民投票で1つだけ「はっきり」している影響とは、「雰囲気にのまれてよく考えずに投票してしまうと大変なことになる」と世界中が認識したことです。


 事実、英国の国民投票の3日後に行われたスペイン総選挙では、躍進が予想されていた反EUの急進左派・ポデモスが伸び悩んでしまいました。


 さらに5月に行われたオーストリアの大統領選挙は、リベラル系のベレン候補が反EUを掲げるホーファー候補に辛勝したのですが、これが何とやり直しとなりました。やり直し大統領選挙は本年9~10月に行われるようですが、これもベレン候補が前回より差をつけて勝つような気がします。


 来年(2017年)春にはフランス大統領選挙があり、やはり反EUを掲げる国民戦線(FN)党首のマリーヌ・ルペンが有力候補ですが、さすがにここまで英国国民投票の「反省」が持続しているかどうかはわかりません。しかし少なくとも年内いっぱいくらいはEUの結束は逆に強固になると考えます。


 しかしその影響は欧州だけでなく、11月8日の米大統領選挙でも「トランプに任せておいて大丈夫なのか?」となるような気がします。そうなると本誌が「日本にとって最悪の大統領候補」と考えるヒラリーが勝ってしまうことになり、それはそれで困ったことになります。


 それでは現在行われている日本の参議院選挙に英国国民投票の影響があるのかというと、全くありません。もともと焦点がはっきりしておらず、共産党まで含めた野党共闘がそれなりに効果を出すため、4年目に入っている自民・公明の与党はあまり楽観視できないと考えます。野党共闘が日本国民にメリットをもたらすことは絶対にありませんが、それでも選挙とはそういうものだからです。


 つまり本年いっぱいの世界の政治は、欧州(英国を除く)は比較的落ち着き、逆に米国と日本には波乱の芽が出ると考えます。当たり前ですが経済政策(金融政策・財政政策を含む)の思い切った発動には、政治の安定が不可欠です。もし今回の参議院選挙で与党が伸び悩むと(そう考えます)なかなかスムーズな経済政策が発動されないような気がします。
 

 あとでも解説しますが日本ではこれ以上の金融緩和は「弊害」しかなく、旧態依然の財政支出もやるべきではなく、期間限定でもよいので思い切った個人への所得減税と消費減税を行うべきと考えます。法人減税は経済への波及効果が少ないので意味がなく、消費税は捕捉漏れをなくせば恒久減税もできるはずです。



■■ その2  英国のEU離脱で見えてきたもの(株式市場編) ■■


 そこで「相場」に戻ります。世界の主要株式市場が英国の国民投票前日(6月23日)と先週末(7月1日)を比べるとどうなっているのかを見ます。その間に安値があるのですが、そこを書くと煩雑になるので省略します。


 まず日経平均は16238円から15682円と3.4%下落、NYダウは18011ドルから17949ドルと0.3%下落、DAXが10257ポイントから9776ポイントと4.7%下落、フランスのCACは4465ポイントから4273ポイントと4.3%下落、イタリアのMIBは17966ポイントから16295ポイントと9.3%下落となっています。


 そして張本人の英国FTSEは、6338ポイントから6557ポイントと何と3.4%も上昇して本年最高値となっています。これは単純にポンド安で英国産業が活況になると考えられた側面もありますが(英国は貿易赤字国なのでトータルではマイナスのほうが大きいはずです)、何といっても金融緩和期待が盛り上がっているからで、EU首脳国である独仏伊の株式市場とは明らかに違った動きとなっています。


 それ以外の株式市場では、上海総合が2891ポイントから2932ポイントと1.4%上昇、ハンセンが20868ポイントから20794ポイントと0.3%下落、スイスフラン高騰の「とばっちり」を受けたスイスでも8023ポイントから8085ポイントと0.7%上昇、ブラジルのボベスパが51559ポイントから52233ポイントと1.3%上昇、ロシアのRTS(ドル建て)が941ポイントから933ポイントと0.8%下落となっています。


 ちなみに昨年末と先週末を比較すると、上昇組の上位2か国はロシア(RTS)の23.3%とブラジルの20.5%、下落組の上位にはイタリアの23.9%、日本の17.6%、中国の17.1%、ドイツの9.0%、スイスの8.3%、フランスの7.8%が並びます。


 単純に考えると昨年末から上昇している株式市場は、今回の英国EU離脱でも影響が軽微であり、逆に昨年末から下落している株式市場は、その影響が大きかったようです。


 そもそも英国のEU離脱とは100%英国の国内政治問題であり、それが世界経済にすぐに大きな影響を与えるわけでもないはずですが、やはり日本を含む下落中の株式市場は「それなりに下落」してしまいました。


 つまり日経平均は、これからも内外のあらゆる出来事に「悪いほうだけ反応する」と考えておく必要があります。しかし改めて日銀の追加緩和期待が盛り上がる可能性があり(次回の政策決定会合は7月28~29日)、そうなればある程度の株価上昇要因にはなります。


 実際に英国で追加緩和が囁かれるとポンド安・株高となったからです。ポンド安は追加緩和期待が出たからだけではなく、英国の趨勢的な地盤沈下を暗示しているからと考えますが、それでも日本も円安・株高のためには追加緩和との安直な期待がでてくる可能性があります。


 ここで英国の政策金利とはリーマンショック直後の2009年3月からずっと0.5%に据え置かれています。その間にECBや周辺のスイス、スウェーデン、デンマークでは(運用側だけですが)マイナス金利導入に踏み切っているため、英国とノルウェー(同じく政策金利は0.5%)は欧州では「高金利国」であり、それだけ欧州大陸からの投資資金を引き付け財政赤字・経常赤字をファイナンスしていたことになります。



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2/5に続きます

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闇株新聞編集部
やみかぶしんぶんへんしゅうぶ
闇株新聞

正体は明かしていない。
人気ブログ「闇株新聞」で「オリンパス事件」「AIJ投資顧問事件」といった経済事件をきっかけに、信頼のおける解説でコアな読者をつかんでいる。
著書に『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)など。