■3週間抜けられなかった83.00円のバリア
みなさん、こんにちは。
マーケットの円安センチメントとは裏腹に、このコラムで何度かご紹介した83.00円に設定されたバリアオプションが、米ドル/円の上値を過去3週間(11月22日~)、阻んでいました。
【参考記事】
●米ドル/円83円、ユーロ/円108円に巨大なバリアがあるが、円安トレンドは継続中!(12月6日、西原宏一)
●米ドル/円は83円のバリアを突破できれば、2012年の高値84.18円を超えそう!(11月29日、西原宏一)
12月7日(金)も好調な米雇用統計を受けて、マーケットはこのバリアオプションに迫る勢いで上昇しましたが、突破できず82.83円止まりで反落。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ヘッジファンドが注目している円安というテーマが、グローバルに市場参加者に浸透して、IMM(国際通貨先物市場)の円ショートポジションも徐々に増大している割には、83.00円が超えられない状態が続いていました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
■バーナンキFRB議長の発言でクロス円が上昇
そして、12月13日(木)未明、注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、超低金利政策の解除条件とも言える「インフレ率2.5%、失業率6.5%」という数値を公表するという斬新な発表がありました。
バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「財政の崖」に関してセーフティネットを引いておくという意味あいもあったものと思われます。
この発表は、当然リスクアセットに関してはプラス要因となります。
マーケットでは、このFOMCの発表を事前に織り込みにいく動きとなり、まずユーロ/円の108.00円のバリアオプションが決壊し、ユーロ/円は急騰しました。
一時、109.44円まで上昇し、110円に迫る勢いです。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足)
米ドル/円の83.00円をブレイクするには時間を要しましたが、ユーロ/円に続き、米ドル/円の83.00円のバリアオプションも期限を待たずについに決壊。
ブレイクした後はユーロ/円ほどは急騰しませんでしたが、本稿執筆時点で、83.50円の高値で推移しています。
2012年の高値、84.18円に迫る勢いで米ドル/円も高値を更新中。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
FOMCの発表を受け…
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