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成長戦略が市場を満足させない理由とは?
米ドル/円は下落トレンド継続を覚悟すべき

2013年06月07日(金)東京時間 17:32

■成長戦略がマーケットを満足させないのはなぜか?

 昨日(6月6日)、米ドル/円は急落した。一時95円台まで安値をつけていたが、前回の筆者のコラムをご覧になった方なら、大したサプライズを感じないだろう。

【関連記事】
先行指標の豪ドル/円が上昇トレンド終了。GMMAチャートは円高の流れを示唆!(2013年5月31日、陳満咲杜)

 何しろ、行きすぎた円安トレンドは常に修正されるものだから、円高の流れが継続していくのも当然の成り行きである。

 材料面では、安倍政権が放った第三の矢、すなわち成長戦略があまり評価されていないのも、想定範囲内だ。

 トレンドが先で材料が後についていくという筆者の持論からすれば、成長戦略の中身がマーケットを満足させていないことは、事前に想定できた。

 なぜなら、株も為替も反落トレンドにあるから、成長戦略自体、なかなかマーケットに評価されない運命にあるからだ。異次元の金融緩和と大胆な財政出動を興奮剤にたとえれば、それを飲み込んでいたマーケットはもっと激しい刺激を求めるようになっているため、物足りないのも自然の摂理だ。

 余談だが、成長戦略を先に打ち出して、次に財政出動、最後に日銀の大胆緩和といった順番で三本の矢を射っていったなら、違う局面をもたらしていたかもしれない。常識的に考えて、最初に暴走してしまったら、その分、継続力に欠けてしまうのは当然である。

 しかし、世の常識をもって相場の常識と思ってはいけない部分が多い反面、世の常識をもって相場の異常を判断できる側面も軽視できない。

 株も為替も、取引しているのが人間である以上、市場センチメントの変異がマーケットを左右するもっとも大きな要因であることを看過できない。

■株も為替も行き過ぎた分の修正を行っており、正常な値動き

 下の、米ドル/円と日経225の日足チャートを見比べればわかるように、両者は高い相関性を持ち、5月23日(木)にともに頭を打って反落してきたが、株のほうがより速い調整スピードを見せている。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM) 

日経225 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 というのは、チャート上に引いたサポートライン、いわゆる「アベクロライン」を株式のほうが先に割り込み、昨日(6月6日)に米ドル/円が追随した形でそれを割り込んできた。この視点から見ても、6月6日(木)の米ドル/円の下落は、先行した株式に追随しただけで特にサプライズではないではないか。

 その上、指摘しておきたいのは、現在株式にしても為替にしても、行きすぎた部分に関する修正を行っており、極めて正常な値動きであるということが、後の値動きを見極めればおわかりいただけると思う。なお、チャート上の矢印は日銀緩和の4月4日(木)を示している。

■日経平均、ドル/円の上昇は異常としか言いようがなかった

 安倍さんがアベノミクス宣言をぶち上げたのは2012年11月15日(木)で、同日安値から日銀の異次元緩和日の安値まで米ドル/円は20円超、日経平均は3390円超も上昇しており、アベノミクスという材料を相場はだいぶ先行した形で織り込んでいた。

 が、日銀緩和が異次元だったということで、日経平均はさらに3866円も上昇し、米ドル/円も11円程度の上昇を果たした。

 強調しておきたいのは、日銀緩和の前には黒田新総裁も決まり、マーケットは日銀緩和をだいぶ織り込んでいたはずだったということだ。

 そうでないと、日経平均が1万2600円台、米ドル/円が96.70円まで上昇するはずがなかった(それぞれ日銀緩和前の高値水準)。いくら想定以上の緩和だったとはいえ、その後、日経平均がわずか2カ月足らずで3866円も上昇したのは、異常という以外の何ものでもなかった

 これは程度が違うとはいえ、米ドル/円も基本いっしょだった。

■すぐに下げ止まって反転すると思わないほうが良い

 もうひとつ指摘してきおきたいのは、株価、為替レートが上昇するにつれ、素人もプロも同じことを言い始めたのが危険なサインだったということだ。

 英FT(フィナンシャルタイムズ)紙の記事で、株価上昇で、美容師が本業をおろそかにして、女の子を連れて銀座を豪遊する様子を紹介していたのは暴落のちょっと前だし、5月23日(木)当日でも、日経平均2万円、米ドル/円110円といった「誰にでもわかりやすかった」ターゲットを掲げたプロがいたほどだ。

 誤解されたくないのは、日経平均2万円、米ドル/円110円といった上値ターゲット自体が夢で終わり、これから実現されないということを言っているわけではなく、相場というものは魔力を持つから、誰でも安易に参加し、誰でも同じターゲットを目指す雰囲気になれば、いったん大きなスランプを味わう羽目になるのも世の常ということである。この意味でも、今回の急落はまったくサプライズではないと言える。

 話が長くなったが、要するに、日銀会合後の上昇幅が株も為替もオーバーシュートの領域に入っていたから、現在の修正局面では日銀緩和前の安値に戻ってもおかしくないし、戻っても正常である。

 したがって、目先すぐ下げ止まり、トレンドが反転してくると思わないほうがよいであろう。

 円安トレンドに対する修正に関して…

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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」
陳満咲杜 (ちん・まさと)

中国・上海生まれ。1992年に所持金5000円で来日し、日本語学校を経て日本大学経済学部に入学。生活費と学費をアルバイトでまかないながら在学中より株式投資を開始。大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。現在は陳アソシエイツ代表/アナリストとして活躍している。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。最新刊は『勤勉で勉強家の日本人がFXで勝てない理由』(ダイヤモンド社)、その他、『相場の宿命 2012年まで株を買ってはいけない!』、『CFDトレーディングの真実』『FXトレーディングの真実』(以上、扶桑社)、『着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実』(青月社)などの著書がある。

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