■次の流れができるまでの調整局面
相場には大きなトレンドの中に、中期的なトレンドや短期的なトレンドが含まれています。中期的なトレンドは、その時によって違いますが、大体1-3カ月程度ということが多いです。
2016年は、年初から2月中旬くらいまでにかけては、株安・円高・原油安という流れになっていました。
しかし、その間に円買いポジションや株のショートポジションなどが溜まってきて、息切れを起こしています。そうなると、局面が変わってきます。
現在は、次の流れができるまでの間の調整局面、あるいは踊り場と言っても良いかもしれません。
■原油価格は、やや上昇。だがさらなる上昇は期待できない
原油先物価格は、サウジアラビアやロシアが当面、増産はしないという合意をし、それをイランなども歓迎したことで少し局面が変わりました。
この合意自体は、実効性があるのか疑問を感じていますが、それでも、相場が下に伸びきっていた時に発表されたため、それなりの効果がありました。
その後、原油先物価格は、やや上昇しています。

(出所:CQG)
しかし、中国の景気状況が低迷し、世界の原油需要が落ち込んでいるという、そもそもの状況が変わっているわけではありませんので、さらなる上昇は、あまり期待できるような状態ではないと思います。
■株式市場も、やや自立反転へ
株式市場も、一時のチャイナショックから立ち直り、やや自律反転してきています。
先週(2月25日)、中国の株式市場が急落する局面がありましたが、その時も日本を始め、他の国の株式市場はそれほど下落しなかったあたりから局面が変わったと思います。

(出所:株マップ.com)
つまり、ポジションが、ややショート方向に傾いたために、下落しなかったか、値ごろ感から潜在的な買いが出てきたかのどちらかだと思います。
やはり、株の下落局面にも変化が起きたということではないでしょうか。
■米ドル/円は、ジリジリと円安方向に修正
為替市場も、円高傾向に変化が出てきました。
米ドル/円も、110円台まで米ドル安・円高が進んだ局面がありましたが、その後は動きが鈍くなり、ジリジリと円安方向に修正がかかっています。
IMM(国際通貨先物市場)のポジションを見ても、急速に米ドル売りポジションが増えており、やはり、マーケットはショートになっていたのでしょう。そのショートの買い戻しが起きていると考えられます。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
■揃ってキレイにダブルボトム! 市場の相関が強い!
中国の株式市場ですが、上海総合指数も一時、2600台にまで下落しましたが、その後は反転しています。

(出所:CQG)
おもしろいと思うのは、WTI原油先物価格(NY原油)、NYダウ、米ドル/円、そして上海総合指数のすべてのチャートがダブルボトム(二番底)をつけて、反転しているということです。
形がW型になっているチャートです。

(出所:CQG)

(出所:CQG)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

(出所:CQG)
逆に言えば、これらの市場の相関が非常に強いということですが、それにしてもキレイなチャートです。
ポジション動向を見ても、チャートを見ても、相場は次の局面に移ったことを示しています。
これからは、当面、方向感のない相場展開になってくると見ています。レンジを決めて、下がったところを買い、上がったところを売るという姿勢で臨みたいと思います。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。























株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)