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ノーベル賞を信じるな!? 巨大ヘッジファンド
LTCM破綻の余波で米ドル/円が22円暴落!

2018年10月08日(月)東京時間 23:03

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■2018年10月8日、日本のFXは20周年を迎えた

 本記事を公開した10月8日。この日は「FXの日」という記念日だということをご存じだろうか?

【参考記事】
知ってましたか? 10月8日は「FXの日」。それは日本でFXが始まった日!(2010年10月8日公開)
10月8日、「FXの日」がついに到来! まさかの豪華プレゼントを一挙公開!?(2013年10月8日公開)

 今から20年前の1998年10月8日、ダイワフューチャーズ(現ひまわり証券がスタートさせていたFXサービスで、日本最初のFX取引が成立した。だから、10月8日は「FXの日」として、日本記念日協会に正式登録されているのだ。

「FXの日」の記念日登録証

 ということは、日本のFXは本記事を公開した2018年10月8日で、ちょうど20周年という歴史的節目を迎えたことになる。

 “日本のFX、発祥の地”であるひまわり証券では、「FX20周年記念」の特設サイトが開設され、目下、2大キャンペーンが実施されているが、それについては別記事で紹介している。

【参考記事】
もう秋だけど…ひまわりの写真を投稿してQUOカード1万円分!? FX20周年の注目企画

ひまわり証券「FX20周年記念」の特設サイト

 その「FX20周年記念」特設サイトには「FXの歴史」というコーナーがあるのだが、その最初の3項目には実に興味深いことが書かれている。本記事ではFX20周年という節目の日に、この最初の3項目付近のことを取り上げたい。

「FX20周年記念」特設サイトより(クリックで拡大)
「FX20周年記念」特設サイト

 本記事のポイントは以下の3つだ。

ノーベル賞学者は信じるな!

ノーベル賞学者云々の話が最終的には「FXの日」につながるはずなのだが、さて、どうなりますか。

 なお、上記ポイント(1)では「ノーベル賞学者は信じるな!」ということを挙げており、これからその話を進めていくが、これは「京都大学の本庶佑特別教授がこのたびノーベル医学生理学賞を受賞したこと」とか、「ノーベル経済学賞はノーベルが設けたものではなく、本当の意味でのノーベル賞ではない」といったこととは関係がない。

■ノーベル賞受賞者が言ってるからといって信じてはいけない!

 さて、今、筆者の手元にはある投資本がある。そして、その本の帯には「ノーベル経済学賞受賞者が導き出した資産形成手法だから信じられる」的なことが書かれている。

 この投資本の全体的な内容は悪くないと思うのだが、「ノーベル経済学賞受賞者が言っているから…」というところで思考停止するような宣伝文句はどうかと筆者は思ったのである。

 浅学非才の筆者がノーベル経済学賞に楯突くことに気が引ける部分があるのも確かなのだが、しかし、投資の世界では、「ノーベル経済学賞受賞者が言っているからといって信じてはいけない!」という教訓を与えてくれた、歴史に残る生々しい実例が存在するのだ。

 それが1998年に起こった巨大ヘッジファンド「LTCM」(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の事実上の破綻だ。

■レバレッジをかけ、アービトラージ(裁定取引)をやっていた

 ロングターム(長期間)という名前に反し、比較的短い年月で消えてなくなったLTCMが運用を開始したのは1994年のことだった。

 投資銀行、ソロモン・ブラザーズで債券トレーダーとして莫大な利益を上げていたジョン・メリウェザーらのチームが中心となって設立されたヘッジファンド、それがLTCMだ。

 その投資戦略の基本にあったのはアービトラージ(裁定取引)

 本来同一であるはずのモノに、違う場所で違う価格がついているとき、割安な方を買って(ロングして)、それと同時に割高な方を売る(ショートする)。そしてその後、価格差が元に戻ったとき、買いと売りを同時に決済して利益を上げる──これが基本的なアービトラージの考え方だ。

 投資といえば、ある銘柄が上がると予想すれば買いから入り、下がるかと予想すれば売りから入り、その後は相場が上にいくのか、下にいくのかに神経を尖らせる、というのが非常によくあるやり方。これは相場の方向性に賭けているわけだが、アービトラージは買いと売りを同時にやっているから、相場の方向性には賭けておらず、相場の上下動に一喜一憂する必要はない。

 アービトラージにおいて注目されるのはあくまで2つの銘柄の価格差であり、上昇相場であろうが、下落相場であろうが、相場の善し悪しにかかわらず、利益を上げることが可能とされている。

 東京証券取引所(東証)に上場されているトヨタ自動車株と名古屋証券取引所(名証)に上場されているトヨタ自動車株にもしも価格差が生じていたら、一方を買って、同時に一方を売る。東証と名証のトヨタ自動車株に本質的な違いはないはずなので、いずれ価格差は縮まるはず。そこで決済する。アービトラージの例を挙げれば、こんなことになる。

 上記はかなりシンプルな例であり、LTCMはたぶんこんな形でトヨタ自動車株を取引したことはなかっただろうが、たとえば、米国債であれば、2年債、5年債、10年債、30年債などさまざまな年限があり、償還までの期間もさまざまであり、さらに現物と先物があり、相対取引でよく取引されるので取引される場所もさまざまということになっている。

 LTCMはこのようなさまざまな国債などの膨大な過去の取引データをコンピューターを使って解析し、それぞれの銘柄間の適正な利回り差を示すモデルを構築した。そして、実際の市場でモデルが示す適正値からの乖離が見られたら、割安になった方を買い、割高になった方を売って、乖離を適正値付近まで戻るのを待ち、決済するのである。

 このような価格差の歪みに取引チャンスを見いだすやり方は、レラティブバリュー戦略(相対価値戦略)と呼ばれている。

 ただ、適正値からの乖離が見られるといっても、通常、その幅はわずかなものなので、LTCMはレバレッジをガンガンかけて取引していた。これも今後の話の展開で大きなポイントとなってくる。

■LTCMにはノーベル賞受賞者が2人も参加!

 このLTCMには著名人が多数加わっており、ドリームチームと言われていた。たとえば、かのアラン・グリーンスパンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の元で副議長を務めており、グリーンスパンの次のFRB議長とも目されていたデビッド・マリンズなども加わっていた。

 そして、学者の中でピカピカ光っていたのはスタンフォード大学大学院教授のマイロン・ショールズとハーバード・ビジネススクール教授のロバート・マートンだった。

マイロン・ショールズ

マイロン・ショールズは元々は学究肌ではなく、次々とベンチャー事業に手を出すような人だったという。世界の税制に精通し、「税金をまともに払うのは愚の骨頂だ」と言ったこともあるそうだ。投資家へのLTCMの売り込みにも弁舌鮮やかに力を発揮した (C)Bloomberg/Getty Images

 オプション価格の算出に使うブラック=ショールズ式。中身はよくわからなくても(筆者もわからない)、トレーダーだったら、その名前ぐらいは聞いたことがある人は結構いるのではないだろうか。このブラック=ショールズ式を完成させた1人がマイロン・ショールズであり、その厳密な数学的証明を行ったのがロバート・マートンだ。

ロバート・マートン

ファイナンス理論の分野で天才と言われたロバート・Cマートン。その父は「予言の自己成就(自己充足的予言)」の説を唱えた社会科学者のロバート・K・マートンだ (C)Sygma/Getty Images

 この2人、LTCM創設時点でノーベル賞の最有力候補と言われていた経済学界の大物だった。そして、1997年に実際、ブラック=ショールズ式の功績により、2人揃ってノーベル経済学賞を受賞している。

 LTCMはノーベル経済学賞受賞者が2人も参加しているヘッジファンドということだったのだ。まさにドリームチームである。

■ドリームチームが運用し、年利40%超もの大きなリターン!

 このLTCM、最初から目覚ましいパフォーマンスを叩き出した。その年間平均利回りは40%を超えていたという。

 ドリームチームが運用し、年利40%超もの大きなリターンを安定的に叩き出しているように見えたヘッジファンド・LTCM。そこには世界の大手金融機関などから資金がジャンジャカ集まってきた。資金が集まりすぎたので、途中でその一部を返還したほどだ。

 その一方、LTCMのやり方を模倣する存在も現れ、先進国の債券などでは価格差の歪みが少なくなり、投資チャンスが少なくなっていった。でも、資金は集まってくるから運用はしなくてはならない。そこでM&Aを発表した2社の株式とか、似た要素を持った2社の株式とか、新興国の国債など、売りと買いを同時にやる手法とはいえ、リスクが高いと思われるモノへ投資する割合が増えていったようだ。

 さらに最後の方になるとLTCMは「エクイティ・ボラティリティの売り」ということもやり始めた。これは株式のボラティリティ(変動性)が低くなる方に賭ける戦略だ。最近、話題になった言葉でいえば、どうも「VIX指数の売り」と同じことのようだ。そこに大きなリスクが潜んでいることは、以下の記事をご覧いただくとわかるとおり。

【参考記事】
NYダウ、史上最大の暴落にVIX指数の影。ビットコインも真っ青。2日で96%下落って!?

 先ほど述べたとおり、LTCMにはたくさん資金が集まってきたのだが、彼らが実はリスクの高いこともやっているという認識は出資者の側にはなかったのだろうか?

 LTCMのことを描いた書籍『天才たちの誤算 【ドキュメント】LTCM破綻』から引用してみよう。当時存在した投資銀行・メリルリンチのリスク・マネージャーはこんなふうに語っていた。

「ロングタームが問題を起こそうなどとは、考えてもみませんでした。リスク管理の専門家として知られていた連中ですから。リスク管理を教え、設計した当人ですからね」メリルのリスク・マネジャーで、アイルランドでパートナーと大いにゴルフを楽しんだダン・ナポリは言う。「なにせ、相手はノーベル賞受賞者ですよ!」

 筆者のような一般庶民ではなく、投資銀行に在籍しているような金融の専門家でも「ノーベル経済学賞受賞者が言っているから…」と思考停止に陥っていたのだ。

 そして、ノーベル経済学賞受賞者たちを含むチームは市場に存在するリスクを低く見積もりすぎる一方、ノーベル経済学賞受賞者がもたらした信用力などによって得られた過剰な資金も結果的に災いしてLTCMは危機に陥っていったのだった(過剰資金によって過大なポジションを取ったあと、LTCMは損失が拡大し、今度は資金が足りないと泣くのではあるが…)

 LTCMが深刻な危機に陥ったのは…

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12月03日更新





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