■FOMC後はセル・ザ・ファクトで米ドル下落
みなさん、こんにちは。
本日(3月16日)未明、注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
コンセンサスどおり、FFレート(※)のターゲット・レンジは0.25%引き上げられ、0.75%~1.00%へ。
(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)

(出所:FRBのデータを基にザイFX!編集部が作成)
政策金利見通しでは引き続き、FOMCが今年(2017年)3回、来年(2018年)3回(中央値ベース)の利上げを予想しているという内容にとなり、きわめてハト派的なトーンに終始しました。
結果、発表後の米ドル/円は、米ドル売りに。
米ドル/円は115.00円レベルから、一気に113円台前半に反落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
米ドル/円は、昨年(2016年)12月のFOMCで利上げを発表した局面で到達した、118.66円が高値となり反落したのと同じ流れに。
つまり、セル・ザ・ファクト。
【参考記事】
●昨年12月FOMCの値動きが再現される? ドル/円はイベント注視して短期的に売りも(3月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
●FOMC後のセル・ザ・ファクトを警戒! 米ドル/円が115円を突破するカギは…!?(3月9日、西原宏一)
今回も、米ドル/円は115.51円の高値に到達した後、FOMCを受けて反落。
これで当面、115円台ミドルを高値に米ドル/円は調整へ。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■金相場は50%戻しがボトムとなり反発
以下のチャートは、前回のコラムでもご紹介した金(ゴールド)の日足。
【参考記事】
●FOMC後のセル・ザ・ファクトを警戒! 米ドル/円が115円を突破するカギは…!?(3月9日、西原宏一)
最近、金は米ドル/円と相関性が高いのですが、FOMC後の金はフィボナッチリトレースメントの50%戻しである1193ドルをボトムとして反発しています(安値は1195ドル)。

(出所:Bloomberg)
TDシーケンシャル(※)も短期的なボトムを示唆しており、日足ベースの金は再び反発へ。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
これは、米ドル売りを意味しており、呼応して米ドル/円も113円台前半まで沈んでいて、さらなる調整を示唆しています。
■中長期での米ドル堅調は変わらずも、当面、ドル/円は重い
加えて、FOMC後は米国債利回りも反落しており、米ドル/円の上値は重い展開。

(出所:Bloomberg)
先月(2月)からの米国債市場では本邦地銀から米国債の投げ売りがでているというウワサもあり、彼らからの米国債の売り、そしてヘッジはずしの米ドル/円の買い戻しが出ているといったことも背景に、FOMCまでの米ドル/円は底堅く推移してきました。
ただ、期末を直前に控え、彼らからの米国債の投げ売りと米ドル/円の買い戻しも一巡し、米ドル/円の上値は重くなると想定しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足 )
米ドルが正常化に向かう中、中長期での米ドルの堅調さは変わりませんが、FOMCをきっかけとした、セル・ザ・ファクトの米ドル売りはまだ続くとみられ、当面、米ドル/円は上値が重い展開が続くのではないでしょうか?
昨年(2016年)12月同様、FOMCをきっかけに反落を開始した米ドル/円の動向に注目です。
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