■ユーロ/米ドルは下値を探る展開に
先週(10月23日~)の注目だったECB(欧州中央銀行)理事会。
発表されたテーパリング(※)の内容はコンセンサスどおりでしたが、ユーロが崩れました。資産買い入れの終了時期を明言しないなど、ドラギ総裁の姿勢がハト派だったことが原因でしょうか。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
テーパリング発表と同時にハト派的な発言でユーロの上昇を阻むだろうと予想はされていましたが、想定以上にハト派だった印象。
ユーロ/米ドルはこれまで言及してきた1.1660ドルを割り込んできたため、目先は下値を探る展開になるだろうなと思います。
チャート的にもきれいなヘッド&ショルダーになりましたし、200日移動平均線あたりまで下がってもおかしくなさそうですね。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)

(出所:Bloomberg)
カタルーニャ州の独立問題もユーロにはネガティブです。ただ、10月27日(金)にカタルーニャ州が独立宣言を可決してもユーロの反応はにぶかった。
今のところはユーロ下落の直接的なトリガーとなっていません。ユーロ/米ドルは戻ったところを売っていくイメージですね。

(出所:Bloomberg)
■16連騰の日経平均、日銀のETF買い余力は大
大手生保のオープン外債の話題が出ている米ドル/円ですが、相変わらず114円台が重いですね。
下がれば生保が着実に出てくるのですが、上値は叩きたくないのでしょう。
下値は固くなりますが、米ドル/円は今年(2017年)の節目である114.50円や115円を抜けるには時間が必要。
【参考記事】
●ドル/円は118円への上昇過程! 注目は…!? NZドルを反落させたネガティブ材料とは?(10月26日、西原宏一)
このあたりにはオプションもゴロゴロしています、IMM(国際通貨先物市場)を見ても円ショートが溜まってきましたから、やはり抜けるには一定の時間がかかるのでしょう。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
生保と同じく、米ドル/円は上値は追わず、下がったところを買っていくのがよさそうですね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
対照的に日経平均は過去最長となる16連騰を記録しました。ところが、上昇を牽引しているのは大きく買い越している海外勢で、反対に個人は大幅な売り越し。
10月は日本銀行のETF買いがまだ入っておらず、年6兆円の枠はまだ1兆6000億円も残っています。
11月、12月で8000億円ずつ買える計算ですから、日本株が下がっても日銀が買い支える期待感がありますよね。

(出所:Bloomberg)
(次ページではFRB議長人事や下落するNZドルの話題が…)
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