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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

次期FRB議長は誰? そしてドル/円は…!?
雇用の最大化をめざすとなぜ通貨安になる?

2017年10月30日(月)17:15公開 (2017年10月30日(月)17:15更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■ユーロ/米ドルは下値を探る展開に

先週(10月23日~)の注目だったECB(欧州中央銀行)理事会。


発表されたテーパリング(※)の内容はコンセンサスどおりでしたが、ユーロが崩れました。資産買い入れの終了時期を明言しないなど、ドラギ総裁の姿勢がハト派だったことが原因でしょうか。

(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

テーパリング発表と同時にハト派的な発言でユーロの上昇を阻むだろうと予想はされていましたが、想定以上にハト派だった印象


ユーロ/米ドルはこれまで言及してきた1.1660ドルを割り込んできたため、目先は下値を探る展開になるだろうなと思います。

チャート的にもきれいなヘッド&ショルダーになりましたし、200日移動平均線あたりまで下がってもおかしくなさそうですね。

(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

カタルーニャ州の独立問題もユーロにはネガティブです。ただ、10月27日(金)にカタルーニャ州が独立宣言を可決してもユーロの反応はにぶかった。


今のところはユーロ下落の直接的なトリガーとなっていません。ユーロ/米ドルは戻ったところを売っていくイメージですね。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)


■16連騰の日経平均、日銀のETF買い余力は大

大手生保のオープン外債の話題が出ている米ドル/円ですが、相変わらず114円台が重いですね。

下がれば生保が着実に出てくるのですが、上値は叩きたくないのでしょう。

 

下値は固くなりますが、米ドル/円は今年(2017年)の節目である114.50円や115円を抜けるには時間が必要

【参考記事】
ドル/円は118円への上昇過程! 注目は…!? NZドルを反落させたネガティブ材料とは?(10月26日、西原宏一)

このあたりにはオプションもゴロゴロしています、IMM(国際通貨先物市場)を見ても円ショートが溜まってきましたから、やはり抜けるには一定の時間がかかるのでしょう。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

生保と同じく、米ドル/円は上値は追わず、下がったところを買っていくのがよさそうですね。

米ドル/円 4時間足
(米ドル/円 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

対照的に日経平均は過去最長となる16連騰を記録しました。ところが、上昇を牽引しているのは大きく買い越している海外勢で、反対に個人は大幅な売り越し。


10月は日本銀行のETF買いがまだ入っておらず、年6兆円の枠はまだ1兆6000億円も残っています。


11月、12月で8000億円ずつ買える計算ですから、日本株が下がっても日銀が買い支える期待感がありますよね。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

■FRB議長人事は週内に決着も反応は一時的か

今週(10月30日~)、3日(金)からはトランプ米大統領がアジア歴訪へ。それまでにFRB議長人事は決着する見通しですね。

タカ派のテイラー氏なら米ドル高、ハト派のパウエル氏なら米ドル安というコンセンサスですが、いずれにせよ反応は一時的になるのでは?


もし、テイラー氏となって米ドルが買われる場面があれば、米ドル/円の買いポジションの一部を利益確定するつもりです。


また、税制改革についても感謝祭(サンクスギビングデー)の11月23日(木)までの成立がターゲットですから、今週(10月30日~)にも動きがあるかもしれません。

米ドルVS世界の通貨 日足
米ドルVS世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

トランプ大統領のアジア歴訪に合わせて最近おとなしい北朝鮮が挑発行為に出る可能性も。気をつけないといけませんよね。

■中銀改革でNZドルは利下げも

今週(10月30日~)は日米英で中銀会合も開催されます。


日銀、FOMCはとくに政策変更もないでしょう。注目は利上げが濃厚な英ポンド。1カ月前に70%程度だった織り込み度は90%近くに達しています

でも、発言の揺れがちなカーニー総裁のことですから、ひょっとしたらサプライズがあるかも……。


据え置きならもちろん売りでしょうし、利上げしたとしても「セル・ザ・ファクト」で売られる可能性もありそう。ただ、足もとの英ポンドはトレンドレスですし、決してオススメはしません。

それならばNZドルを売っていたほうがいい気がします。メルマガ「FXトレード戦略指令!」でも既報のとおり、NZドル/米ドルをショートにしている背景が政権交代ですが、新政権は中銀の責務のひとつに「雇用の最大化」を加えようとしています。

【参考記事】
ドル/円は118円への上昇過程! 注目は…!? NZドルを反落させたネガティブ材料とは?(10月26日、西原宏一)

NZドル/米ドル 日足
NZドル/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

週末のテレビ番組で財務大臣は「それは低金利政策を意味するのか」と問われ、「潜在的にはそうなる」と答えました。


黒田総裁就任で円安が進んだように中銀改革のインパクトは大きい。今週(10月30日~)、NZドル/米ドルが0.68ドルを割ってくるかどうか、注目しています。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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