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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円の85円程度は通過点。
なぜ長期円安時代が始まったと言えるか?

2012年11月26日(月)13:30公開 (2012年11月26日(月)13:30更新)
陳満咲杜

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 中国出張の間、かなり円安が進行しており、先週(11月19日~)もその勢いは止まらなかった。米ドル/円は82.84円まで高値をトライし、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円などクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も軒並み暴騰した。

世界の通貨 vs 円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 4時間足

■円安になった真の理由は「安倍発言」にはない!

 もっとも、このコラムで繰り返し強調してきたように、相場の内部構造から見れば、円安の進行は当然であり、決してサプライズではないし、何らかの特殊要因で醸成されたものではない。

 しかし、巷ではむしろ逆の見方が主流で、円安の背景をもっぱら「安倍発言」(※)に求める解釈が多い。

(※筆者注:「安倍発言」はおもにインフレ―ターゲットの導入、日銀法改正、マイナス金利や日銀が直接国債を引き受けるといった内容だった)

 もちろん、自民党総裁として次期首相有力候補の安倍さんの発言はインパクトが大きかった。しかし、政治家の発言で相場のトレンドを形成できるなら、中央銀行の存在意義さえなくなるから、常識で考えれば、おのずと「安倍発言」が過大評価されたことがわかる。

 ましてや、政治家の発言を鵜呑みにすること自体、馬鹿げたというか、幼稚すぎることだろう。

【参考記事】
フランスの政局云々だけでユーロ安とは限らない。米国にも2つの不安が再浮上!(5月7日、陳満咲杜)

■卵が先か、鶏が先か。材料が先か、トレンドが先か

 「相場の宿命」という視点で考えてみよう。いつものように、あえて因果関係を説明すれば、むしろ次のようなロジックが重要であろう。

 すなわち、「円安の進行と加速が相場の内部構造によって決定されたため、それが何らかの材料を引き起こし、さらにそれが大衆の反応を刺激して、相場のトレンドを加速させていく」という流れである。

 こういった材料は中央銀行の介入であったり、政治家の発言であったりして、基本的には何でも良いわけであるが、一般論として市場参加者の心理に強い影響を与える材料のほうが効きやすい。

 もしも材料を卵、トレンドを鶏とたとえれば、必ずしも「卵が先で鶏が後に生まれる」とは限らず、「鶏が先で卵が後に作られる」のが相場の真実である。まさか! と思う方は以下の事例を見てほしい。

米ドル/円 月足(2012年の年初作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 上の米ドル/円 月足チャートは2012年の年初に作ったものだが、チャートに記しているように、1978年9月安値から1995年4月安値までのプライマリーサイクルは198カ月の周期を示していた。

 そして、1995年4月に198カ月を足すと、ちょうど2011年10月を示しているから、2011年10月31日、米ドル/円は75.57円をもって底打ちを果たした。

 「そんなことはないぞ! 2011年10月31日には日銀が為替市場に介入したではないか?」といった反論も…

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