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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル全面高を過信するのはなぜ危険?
米利上げ観測自体が急になくなるかも!?

2016年05月27日(金)16:54公開 (2016年05月27日(金)16:54更新)
陳満咲杜

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■原油と米国株の上昇はこのまま続くのか?

 となると、これから市場センチメントにしても、米ドル全体の値動きにしても、金融市場の動向次第で再度チェンジする可能性が大きい。果たして原油と米国株の上昇は続くだろうか。 

原油 日足(クリックで拡大)
原油 日足

(出所:CQG)

 テクニカル上の視点はいろいろあるが、上のチャートで読み取れるRSIのサインが正しければ、原油の反騰が行きすぎの領域に入っていることがわかる。

 要するに、原油は以前の「売られすぎ」の状態から一転して「買われすぎ」の状態になっているから、近々再度修正される公算が大きい。同じ状況が、目先の米国株にも当てはまる。 

NYダウ 月足(クリックで拡大)
NYダウ 月足

(出所:CQG)

 NYダウの月足を見る限り、長年構築されてきた大型RSIの弱気ダイバージェンスのサインが有効である限り、米国株が再度大きく反落してもおかしくなく、また、場合によっては2008年のような大暴落につながる可能性がある。

 一方、昨年(2015年)8月や今年(2016年)1月の急落では、短期スパンにおける「売られすぎ」のサインが点灯していたから、足元までの反騰は、原油同様に「売られすぎ」に対する修正にすぎない

 ここで注意すべきなのは、6月利上げ、あるいは7月利上げ観測が急速に浮上してきたのに、これが米国株への売り圧力として、あまり鮮明になっていないことだ。

 この意味では、米国株の上下は、結局、リスクオン・オフの反映で、利上げ自体がリスクオンと解釈される場合、やはり、これ以前の「売られすぎ」に対する修正、すなわち反騰が維持されるといったコンセンサスにつながりやすいかと思われる。もちろん、こういったセンチメント、長く続くものでないことは言うまでもないが…。

■本格的な米ドル高につながる決定打を欠いている?

 となると、一部FRB幹部の強気発言に惑わされず、しっかり市場の状況を見極めるべきであろう。米利上げの可能性が市場次第なら、また急速に修正される恐れがあるので、米国株高にしても米ドル高の継続性にしても、あまり過信しすぎない方がよさそうだ。

 とはいえ、利上げ観測が高まってきたものの、その確実性について、市場は疑心暗鬼になっているところがある。いってみれば、米ドル高シナリオは、米国が追加利上げできるかどうかにかかっている。

 しかし、4月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されて以降、ドルインデックスの切り返しは見られているが、本格的な米ドル高につながるには決定打を欠いているようだ。

 理由の1つは経済指標の結果である。

 FRB自身が指摘した「第2四半期に経済成長を加速、インフレと雇用環境がさらに改善される」という条件を満たせない可能性が、BNPパリバをはじめとした、ウォール街の投資銀行の一部から指摘されている。どうも懐疑的な見方を示すアナリストが多いようだ。

 さらに、FRB内部の意見が一致していないことが指摘される。

 実際、タカ派とされる理事が投票権を持っていなかったり、投票権を持つ理事の意見がより慎重になっていることがFRBの声明文を精読すればわかる。言い換えれば、公の談話よりも議事録の内容が大事だということである。

 したがって、米ドル全体の切り返しは、しばらく続く可能性が大きいものの、米追加利上げが現実的になるまで、あまり楽観しすぎないほうがよい。

 その上、市場次第では、米利上げ観測自体が急速になくなる可能性も小さくないので、リスク要素として要注意だと思う。市況はいかに。

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