■イエレンFRB議長は米ドル高に懸念示さず
みなさん、こんにちは。
原油急落をきっかけに、グローバルに金融緩和合戦が続いています。金融緩和は、その国の通貨安を伴いますので、主要国の通貨は軒並み軟調な展開。そうした中、通貨高を一手に引き受けているのが米国です。
(出所:米国FXCM)
過去のコラムでも何度か触れましたが、米国のみで世界経済を牽引するのは難しく、いくつかの米企業の中では、米ドル高を牽制する発言も増えてきました。
【参考記事】
●金融緩和競争を米国が静観する理由は?ドル/円は底固めから122円へ向け上昇か(2月5日、西原宏一)
1月に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)においても、2~3人(a few)が最近の米ドル高をリスクと位置付けており、米国当局がこれ以上の米ドル高を容認するのかどうかという懸念が残ることに。
それを確認する意味で、マーケットは2月24日(火)のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言に注目していましたが、イエレン議長は米ドル上昇に特段の懸念を示しませんでした。
結果として「米ドル高警戒」は、FOMCメンバーの少数意見に過ぎないというのがコンセンサスとなり、市場の一部にあった米ドル高警戒感は後退し、再びじわじわと米ドルが底堅くなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■安倍首相のセールストークも日本株高の要因!?
一方、日経平均は今週(2月23日~)も堅調で、本稿執筆時点では1万8750円と1万9000円をうかがう展開。
(出所:株マップ.com)
これは、今週(2月23日~)に入って、安倍首相が日本株のセミナーに登壇したのも影響しています。
2月25日(水)、都内で行われたCLSA証券主催のフォーラムで安倍首相は「エンジン全開の今年(2015年)の日本を、皆さん、買わない手はないと思いませんか。投資家の皆様におかれましては、この機会に、生まれ変わりつつある日本経済を肌で感じていただき、有力な投資先として御検討ください」とコメント。
(出所:政府インターネットテレビ「CLSAジャパンフォーラム2015-平成27年2月24日」)
安倍首相がこのようなセールストークを持ち込んだ直後に株が上がるとは限りませんが、時間を経て、日本株と米ドル/円が急騰したことは昨年(2014年)の相場で経験済み。
【参考記事】
●安倍首相が「アベノミクスは買いだ」宣言!10月1日に向け動意づいたドル/円に注目(2013年9月26日、西原宏一)
(出所:米国FXCM)
■米ドル/円は120円超えを目指す可能性濃厚!
安倍首相がこのようなセールストークをするのは、2015年4月に統一地方選を控えていることが要因なのでしょう。
ただ、日経平均の急騰にもかかわらず、米ドル/円は依然として、119.00円レベルで停滞。これは、統一地方選を控え、当局が地方に配慮し、米ドル/円は当面120円レベルで推移させたいのではないかというマーケットの思惑が影響している模様。
(出所:米国FXCM)
しかし、日本株が急速に上値を伸ばしている展開であることに加えて、前述のように米当局も、現時点ではそれほど米ドル高に懸念を表明していないことから、時間調整を経て、米ドル/円も120円超えを目指して底堅く推移する可能性が濃厚です。
(出所:米国FXCM)
前述のように、原油急落をきっかけに…
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