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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ユーロ/米ドルがついに動き出すか?
ドラギマジックでBrexitの安値下抜け!

2016年10月24日(月)19:11公開 (2016年10月24日(月)19:11更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■俄然高まる12月ECB理事会の注目度

先週、10月20日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会、金融政策はすべて据え置きでしたが、12月の会合で新たな金融政策が決定しそうです。


2016年年末ギリギリまでユーロから目が離せなくなりそう。ただ、12月のECB理事会は8日(木)。13日(火)~14日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の直前となります。

先週(10月17日~)、ユーロ/米ドルはBrexit(英国のEU離脱)の安値を下抜けました。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

事前にテーパリング(※)の検討をリークしておき、記者会見で否定することで、金融政策は何もいじらずにユーロを落としたと考えれば、まさに「ドラギマジック」。見事な手腕です

(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)


■ユーロ/米ドルが動き出すのは11月?

ユーロ/米ドルの注目点は、西原さんもメルマガ「FXトレード戦略指令!」でたびたび言及していた月足で引いた長期トレンドライン。

【参考記事】
長期もみ合いのユーロに反発の兆しアリ! 米利上げ観測後退による米ドル安がカギに(8月18日、西原宏一)

ユーロ/米ドル 月足
ユーロ/米ドル 月足

(出所:CQG)

まだこのラインを割っていないんですが、トレンドラインの始点あたりでもみ合ったときの日柄がおよそ20カ月。


今回の揉み合いが20カ月目に達するのは11月なんです。11月から年末にかけて、ユーロ/米ドルが動き出すのかなとも思えますよね。

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足

ユーロに関しては、ファンダメンタルズはともかく、テクニカル的には注意が必要な形になってきましたね。


対円でも米ドル高が進んでいますし、先週(10月17日~)は1.09ドルまでも戻らなくなってきている。


超長期トレンドラインまではまだ400pipsほどの距離がありますが、最近はアルゴリズム取引の影響か、ブレイクしたら一気に動き出す傾向が強まっているようでもあり、要注意です。

今週(10月24日~)のイベントとしては、28日(金)の米7-9月期GDP、27日(木)のドイツ銀行決算、中国共産党が重要方針を決定する「6中全会」(24日~27日)が注目でしょうか。

米国GDP成長率の推移

米7-9月期GDP速報値は10月28日(金)21時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国GDP成長率の推移

Brexit以降、中国リスクやドイツ銀行リスクが取りざたされましたが、大きなリスクオフには結びついていません。

 

トランプリスクが現実化する可能性もだいぶ遠ざかったようですし、過度なリスク警戒感は薄らぎつつあるようですね。

【参考記事】
トランプいわく、大統領選は「八百長」でクリントンは「いじわるオンナ」らしい!?(広瀬隆雄)

■世界的な「アロケーション・チェンジ」の始まりか

今年(2016年)、最大のリスクはやはりBrexitだったのでしょう。「ありえない」と誰もが思っていたことが起きた。その記憶があるため、リスク要因が過度に警戒されています。


しかし、先週(10月17日~)はブラジル中銀が利下げに動いた。新興国通貨の利下げは、もはや通貨防衛の必要がなくなった、ということでもあります。

ブラジル政策金利の推移

(出所:ブラジル中央銀行)

豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨も上昇しており、オセアニア通貨や新興国通貨が今年(2016年)の安値から切り返してきているのは、リスク警戒感が後退しているということでしょう。

【参考記事】
ブラジル4年ぶりの利下げ決定でリスクオフ拡大の可能性低下? その理由とは…!?(10月20日、西原宏一)

WTI原油を見てもそれは感じます。50ドル台を維持していますし、日本株も9月までは過去最大の売り越しだった外国人が10月に入って2週連続の買い越しとなりました。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足

(出所:CQG)

中東勢が日本株や米ドル/円を買っています。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:株マップ.com

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:CQG)

中東勢を筆頭に世界的な「アロケーション・チェンジ」(資産配分の変更)が起きているようで、これまでの買いとは違う、強いものを感じますね。


■米ドル/円の押し目買いを継続

米大統領選が終わるまでキャッシュ比率を高めて様子見の投資家も多いのでしょうが、動き出す日も遠くなさそう。


過去の話になりますが、今年(2016年)1月から8月までに、中国は日本国債を約9兆円も買っていたそうです。一方で米国債の保有残高は5兆円の減少。


為替でいえば、米ドル/円の売りになります。今年(2016)の米ドル/円が20%も落ちたのは、こうした中国の動向による影響もあったのかなと。ちょっと行き過ぎでしたもんね、今年(2016年)の円高は。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:CQG)

今週(10月24日~)の戦略としては、ドル/円の押し目買い継続でよいのでしょう。


依然として日足は75日移動平均線や一目均衡表の雲の上にありますし、102円台に入ることもなく、下値を切り上げています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:CQG)

米ドル/円は104円、104.50円、105円に大きめなオプションがあり、定着できませんが、ジリジリと上がっていくのかなと思います。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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