■俄然高まる12月ECB理事会の注目度
先週、10月20日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会、金融政策はすべて据え置きでしたが、12月の会合で新たな金融政策が決定しそうです。
2016年年末ギリギリまでユーロから目が離せなくなりそう。ただ、12月のECB理事会は8日(木)。13日(火)~14日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の直前となります。
先週(10月17日~)、ユーロ/米ドルはBrexit(英国のEU離脱)の安値を下抜けました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
事前にテーパリング(※)の検討をリークしておき、記者会見で否定することで、金融政策は何もいじらずにユーロを落としたと考えれば、まさに「ドラギマジック」。見事な手腕です
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
■ユーロ/米ドルが動き出すのは11月?
ユーロ/米ドルの注目点は、西原さんもメルマガ「FXトレード戦略指令!」でたびたび言及していた月足で引いた長期トレンドライン。
【参考記事】
長期もみ合いのユーロに反発の兆しアリ! 米利上げ観測後退による米ドル安がカギに(8月18日、西原宏一)

(出所:CQG)
まだこのラインを割っていないんですが、トレンドラインの始点あたりでもみ合ったときの日柄がおよそ20カ月。
今回の揉み合いが20カ月目に達するのは11月なんです。11月から年末にかけて、ユーロ/米ドルが動き出すのかなとも思えますよね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
ユーロに関しては、ファンダメンタルズはともかく、テクニカル的には注意が必要な形になってきましたね。
対円でも米ドル高が進んでいますし、先週(10月17日~)は1.09ドルまでも戻らなくなってきている。
超長期トレンドラインまではまだ400pipsほどの距離がありますが、最近はアルゴリズム取引の影響か、ブレイクしたら一気に動き出す傾向が強まっているようでもあり、要注意です。
今週(10月24日~)のイベントとしては、28日(金)の米7-9月期GDP、27日(木)のドイツ銀行決算、中国共産党が重要方針を決定する「6中全会」(24日~27日)が注目でしょうか。

米7-9月期GDP速報値は10月28日(金)21時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国GDP成長率の推移)
Brexit以降、中国リスクやドイツ銀行リスクが取りざたされましたが、大きなリスクオフには結びついていません。
トランプリスクが現実化する可能性もだいぶ遠ざかったようですし、過度なリスク警戒感は薄らぎつつあるようですね。
【参考記事】
●トランプいわく、大統領選は「八百長」でクリントンは「いじわるオンナ」らしい!?(広瀬隆雄)
(次ページではアロケーションチェンジが始まっているという話題が…)
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