■ドラギECB総裁のコメント以降、調整が続くユーロ
みなさん、こんにちは。
2012年8月2日(木)のドラギECB(欧州中央銀行)総裁のコメントをきっかけに、ユーロ/米ドル、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)は調整色の濃いマーケットが続いています。
ECB理事会翌日、8月3日(金)の欧米市場では、ユーロ/米ドルはわずか1日で1.2393ドルまで急騰。
その後、1.2444ドルまで値を伸ばしましたが、1.2500ドルの巨大なバリアオプションが意識され反落しました。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
加えて、前コラムでご紹介したSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])の存在がユーロのかく乱要因となっています。
【参考記事】
●ドラギ総裁の「Believe me」は本当か?ユーロの行方はECB理事会の発言次第!(8月2日。西原宏一)
たとえば、8月15日(水)夜の欧州市場でのユーロ/米ドル、ユーロクロスの不規則に上下するチョッピーな動き。
欧州市場序盤のユーロ/米ドルはじり高に推移し、一時1.2345ドルまで到達。
ただ、その後、大きな材料もない中、ユーロ/米ドルは1.2264ドルまで急反落しました。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
■オランダ系銀行の大口注文のバックにSNBか?
マーケットではオランダ系の銀行がユーロ/米ドル、ユーロクロスの大口の売りを持ち込んだことが話題になっています。
そして、彼らのバックにはSNBがいるのではないか、というのがマーケットのコンセンサスとなっています。
そのため、そのオランダ系の銀行が大口でユーロ/米ドル、ユーロクロスの売りを持ち込むと、ほかの市場参加者がいっせいに追随するため、短期間でユーロ/米ドル、ユーロクロスは急落する傾向にあります。
SNBの外貨準備に関しては、下記のようにメディアでも報道されています。
スイス中銀は7日、外貨準備高が7月に11.3%増加し4065億スイス・フランになったと発表した。同中銀のマイアー報道官は、増加分の「大部分」はフラン相場に設定した上限を防衛するための外貨購入によるものだと説明した。(出所:Bloomberg)
ただ、その急落が終了すると、ユーロ絡みはもとの調整色の濃いマーケットとなり、8月15日(水)夜のニューヨーク市場のユーロ/米ドルも結局1.2290ドルでクローズしています。
結局SNBの売買は短期的なかく乱要因となっているのです。
9月にはユーロ関連の大きなイベントが目白押しであり…
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