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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

スイス国立銀行がユーロ相場をかく乱!
ドル/円は米長期金利上昇で80円台回復へ

2012年08月16日(木)18:53公開 (2012年08月16日(木)18:53更新)
西原宏一

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■ドラギECB総裁のコメント以降、調整が続くユーロ

 みなさん、こんにちは。

 2012年8月2日(木)のドラギECB(欧州中央銀行)総裁のコメントをきっかけに、ユーロ/米ドル、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)は調整色の濃いマーケットが続いています。

 ECB理事会翌日、8月3日(金)の欧米市場では、ユーロ/米ドルはわずか1日で1.2393ドルまで急騰

 その後、1.2444ドルまで値を伸ばしましたが、1.2500ドルの巨大なバリアオプションが意識され反落しました。

ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 加えて、前コラムでご紹介したSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])の存在がユーロのかく乱要因となっています。

【参考記事】
ドラギ総裁の「Believe me」は本当か?ユーロの行方はECB理事会の発言次第!(8月2日。西原宏一)

 たとえば、8月15日(水)夜の欧州市場でのユーロ/米ドル、ユーロクロスの不規則に上下するチョッピーな動き。

 欧州市場序盤のユーロ/米ドルはじり高に推移し、一時1.2345ドルまで到達。

 ただ、その後、大きな材料もない中、ユーロ/米ドルは1.2264ドルまで急反落しました。

ユーロ/米ドル 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足

■オランダ系銀行の大口注文のバックにSNBか?

 マーケットではオランダ系の銀行がユーロ/米ドル、ユーロクロスの大口の売りを持ち込んだことが話題になっています。

 そして、彼らのバックにはSNBがいるのではないか、というのがマーケットのコンセンサスとなっています。

 そのため、そのオランダ系の銀行が大口でユーロ/米ドル、ユーロクロスの売りを持ち込むと、ほかの市場参加者がいっせいに追随するため、短期間でユーロ/米ドル、ユーロクロスは急落する傾向にあります。

 SNBの外貨準備に関しては、下記のようにメディアでも報道されています。

スイス中銀は7日、外貨準備高が7月に11.3%増加し4065億スイス・フランになったと発表した。同中銀のマイアー報道官は、増加分の「大部分」はフラン相場に設定した上限を防衛するための外貨購入によるものだと説明した。(出所:Bloomberg)

 ただ、その急落が終了すると、ユーロ絡みはもとの調整色の濃いマーケットとなり、8月15日(水)夜のニューヨーク市場のユーロ/米ドルも結局1.2290ドルでクローズしています。

 結局SNBの売買は短期的なかく乱要因となっているのです。

 9月にはユーロ関連の大きなイベントが目白押しであり、ユーロに対する不安材料は払拭されていないのですが、それを控えて当面のユーロ/米ドルは巨大なオプションが設定されているという1.2000~1.2500ドルのレンジ内で神経質な展開になるのではないでしょうか?

ユーロ/米ドル 4時間足

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

■米金利の上昇により、米ドル/円は80円台を目指す展開か

 一方、長期に渡って78.00~79.00円のレンジで膠着していた米ドル/円相場ですが、今週(8月13日~)に入って少し動きが出てきました。

 その背景には米10年物国債の利回り(米長期金利)があります。

 今週(8月13日~)に入り、「QE3(量的緩和第3弾)実施を遅らせる」とのレポートを米ゴールドマン・サックスが顧客に配布したとの報道もあり、8月15日(水)の10年物国債の利回りは節目の1.80%を越える展開になりました。

米10年物国債の利回り(米長期金利)

 米金利の急騰により、日米の国債利回り格差が過去3カ月で最大になったことが米ドル/円を押し上げる展開となり、米ドル/円は久々に79円台を回復

 8月16日(木)のアジア市場では、一時79.33円まで上昇しています。

米ドル/円 4時間足

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

 欧米のヘッジファンドは米金利上昇による米ドル/円の上昇を見込み、短期のオプションを仕込み始めているようで、それに関連する米ドル買いがかなり持ち込まれている模様。

 もちろん79円台は、本邦輸出勢の米ドル売り注文が断続的に並んでいるため、上昇も緩慢ですが、米ドル/円の下値も徐々に限定的に。

 最近の米ドル/円はHFT(High Frequency Trading=高速取引)の取引が増えており、ボラティリティが低下気味なため動きが緩慢なのですが、米金利の上昇を背景に、徐々に80円台回復を目指す展開になるのではないでしょうか?

米ドル/円 4時間足

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)


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