■新興国通貨からの資金流出が進む
みなさん、こんにちは。
先週のコラムでご紹介した、新興国通貨からの資金流出ですが、今週(8月26日~)はその動きがさらに加速しました。
【参考記事】
●ユーロ/NZドルは4日間で700pips急騰! 新興国通貨からの資金流出先はユーロに(2013年8月22日、西原宏一)
資金流出が激しくなったのがシリア問題です。
シリアの化学兵器使用疑惑をきっかけに、西側諸国がシリア軍を攻撃する可能性が浮上しました。
これによって、マーケットはリスク回避の展開となり、新興国通貨は軒並み下落。
トルコリラはシリア問題で急激に通貨安が進んでおり、米ドル/トルコリラは、一時2.07リラ台まで急騰しました(高値は2.0730リラ)。
(出所:CQG)
【参考コンテンツ】
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「トルコリラ/円」スワップ金利の高い順
ブラジルレアルは、ブラジル中央銀行が600億ドルの為替介入計画を発表したことにより、通貨安が収まっていますが、アジア通貨は引き続き軟化しています。
(出所:CQG)
インドルピーは通貨安が加速し、米ドル/インドルピーは、過去最高値を更新し、68.8450ルピーまで上昇。
(出所:CQG)
オセアニア通貨も軟化しており、豪ドル/米ドルは一時0.8893ドルまで下落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
ユーロ/豪ドルは、ついに1.50ドル台を回復し、一時1.5034ドルの高値まで高騰、先週ご紹介したユーロ/NZドルは、1.7292ドルまで急騰しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 4時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/NZドル 4時間足)
新興国から欧州や米国に資金が流出している流れが続いており、特に対ユーロでの新興国通貨安は当面、続きそうです。
■もし、シリアへの攻撃が始まったら、米ドル/円はどう動く?
シリア問題は主要国通貨にも波及しています。
シリア空爆の可能性が高まり、旧来のリスクオフの流れとなって、8月28日(水)の為替市場では、円とスイスフランが上昇しました。
米ドル/円は、一時96.82円まで急落。ただ、円が避難通貨としてみなされていたのは、旧来のコンセプトです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
今週(8月26日~)の「リスクオフ=円買い」という流れは一時的であり、シリアへの軍事介入が長期化する可能性は低いため、リスク回避で下落した米ドル/円は、実際に攻撃が始まると買い戻される公算が濃厚となっています。
日本では、前述のシリア問題より重要なことが差し迫っています。
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