■金融緩和競争は未曾有のマイナス金利の世界へ
みなさん、こんにちは。
2015年1月22日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会でQE(量的緩和策)開始が発表されて以降、グローバルに金融緩和競争が続いています。結果、多くの国の債券がマイナス金利に突入しています。
【参考記事】
●金融緩和競争を米国が静観する理由は? ドル/円は底固めから122円へ向け上昇か(2月5日、西原宏一)
●ECBがいよいよQE開始で内容に注目! ユーロは下値追い禁物も戻り売りで臨む(3月3日、西原宏一&松崎美子)
ユーロ圏では、ドイツ、フランス、オランダ、フィンランド、ベルギー、オーストリアの債券がマイナス金利に。そして、欧州圏では他に、スイス、デンマーク、スウェーデンがマイナス金利へ。そして、特筆すべきはデンマークです。
デンマークのノルディア・クレディット銀行では、ついに住宅ローンにマイナス金利が適用され始めました。つまり、住宅ローンを借りるとお金が支払われるのです。
そんな中、長期の投資家は単純にマイナス金利となっている欧州各国の債券を避けることに…。
欧州以外でも、利下げに走る国が増え、3月4日(水)にはインド準備銀行が利下げを決行し、政策金利は7.50%に。他には、日本、オーストラリア、カナダ、シンガポールと軒並み緩和傾向となっています。
金融緩和によって通貨が劣化するため、資金が株に流れ込み、グローバルに株が急騰。低成長であるにもかかわらず、通貨の劣化により、株が上昇している流れに。
(出所:米国FXCM)
時代は未曾有のマイナス金利の時代に入り、金融業界では、マイナス金利が有益か、有害かという議論が頻繁に交わされています。
■金利正常化に向かう米国には世界のマネーが流入
各国の通貨が劣化しているため、資金は株に向かっていますが、通貨の中で唯一買われているのが米ドル。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)は、2009年から実施してきた金融緩和策(QE1、QE2、QE3)を終えて、今年(2015年)は利上げに動くというのがコンセンサス。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
世界的にマイナス金利を導入する国が珍しくない状況下、金利が正常化に向かっている米ドルに世界のマネーが向かいやすく、米ドル全面高が続いています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
このコラムでも何度か触れていますが…
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)